【800万PV感謝】ダンジョンのある現代でTS化した僕は全力で癒やし要員となる

104話 到着～兄フロアに立つ。

「……は？」

　流石に受け身をとり、瞬時に起き上がった巽さん。

　ただ、その顔は何故か驚愕一色だった。

「───脱力を確認し、半身から重心移動までは確認できましたが…それだけではこの事象は説明できません」

［えっ？巽さんは半ば自分から跳びましたよ？］

「えっ！？」

「もしかして達人であればあるほどってやつ？」

［あー…良く分かりませんが、そうかも知れません］

「ちょっと待って欲しい！私が」

　そう言って課長が僕の肩に触れ、

　ズダァンッ！

　半回転して勢いよく畳間に叩きつけられた。

「───は」

［今のはいなしを混ぜた身体操作です］

「えっ？待って？君、運動音痴って設定だよね！？」

［設定って何ですか！確かに何もない所で転んだり、色々トロくてヘボですけど…流石に掴まれたりした場合は僕でも何とか出来ますよ］

「いやいやいやいや！少なくとも今投げられた二人は身体操作如きでは早々崩されたり投げられないようなレベルだよ！？」

「これは！？」

　突如佑那が後ろから抱きかかえるように拘束し、

「ごっ！？」

　僕の引け越しの一撃に呻いた瞬間に腰投げで前に飛んでいってしまった。

「……おー……雑に投げた」

　あ、せお姉様にバレた。

［流石に僕も男ですから少しくらい身を守る術は学んでます！］

「いや、それは異常すぎるんだけど…」

「まさか岩崎に投げられる日が来るなんて…」

「姫様が強すぎて護衛のプライドがズタズタな件について」

［いや絶対課長と巽さん余裕あるでしょ！］

「しかし少しは安心したのも事実。超至近距離か密着状態なら対処可能と」

　その前にスキルが守ってくれるので心から安心できますが。

「まあ、ゆーくんのスキル解除に関しては私レベル以上の管理者権限と上位神クラスの権限二つ必要ですから」

　なんか、もの凄く厳重！？

「本当は基本解除不可にしたかったんですけどね…」

　あとで大変な事になるパターンですよね？それ。

「なので、今少し皆さんで特殊スキルを検討中ですから楽しみにしていてください」

　うわぁ、ミツルギ姉様イイエガオ…でもそれはひいきが過ぎるのでは…

「いえ！新しい職を検討している最中ですので、その新スキルとしてですよ」

「単一職でしょうね」

「唯一職だろうな」

「グレートシスターとか？」

「「それだ！！」」

　何訳の分からないこといっているんですか。そしていつの間に仲良く…

　ヴィーッ！、ヴィーッ！

「侵入者！？いや、三段手前と言うことは一般神域か！」

　素早く戦闘モードになったミツルギ姉様。

［あ、兄さんが佑那を迎えるためにフロアに転移したんだと思います］

「……まあ、一般神域はあの一件以降易々とは入れなくなっているが、流石にここまではな…」

［呼びますか？］

「えっ？」

【兄さん、今僕の居る所に跳べますか？】

　そーしん。

「…次元防衛と次時空間断層がキツいんだが…」

［兄さん、ノータイムで普通に来られましたね］

「は！？神域結界は！？」

「結界…？ああ、高次元経由で跳んだらくぐれる状態ですよ。天井を覆っていない感じでした」

「あっぶなぁぁぁぁっ！今すぐ直す！」

「いや、次時空間断層突破できる時点で一つ上の世界で時空神できるくらいですよ？」

　慌てて修正に走るせお姉様と、何とも言えない顔をしているミツルギ姉様。

［あの、それって、人の領域超えていません？］

「人と呼べる種族の枠を大きく逸脱していますね…魔人、神人は泣いて良いレベルです」

［…兄さん。帰る時は神域から出て転移してくださいよ？］

「俺は兎も角佑那がとんでもない事になるからな」

　兄さんは大丈夫なのか！