87話 改築~実家がいつの間にか要塞になっていた件
おはようございます。岩崎友紀と申します。
朝5時40分に起床してまず驚いたことは、両サイドに血溜まりがあり、着衣の乱れのある恍惚の表情で此方を見ている悪魔?二人いたことです。
そんな日常、ありゅ?(ねーよ)
[えっと、タイムさん、フィラさん。お二人ともおはようございます]
───僕に着衣の乱れは無いよね…?
「おはようございます」
「師匠、おはようございます」
[…うん。貴女方二人は鼻から流れ出ているそれを止めて?僕はシーツを血抜きするから]
メイドモートにチェンジして寝室をクリーニングしていく。
もう空間操作抜きで生きていけない…
繊維の間まで綺麗に出来る…洗濯、アイロンもこれ代用できる!
ゴミも取れるから掃除も!もう家事で大変な目に遭っている人はこれ覚えなきゃ!
「……師匠、分かって無いッスよね…無自覚で超高レベルなことをやってのけているって」
「あれ、能力を与えたアディエーナ様でも大変だと思うわ…」
そんな馬鹿な!
[おはようございます!]
「ゆーちゃんおはよう。今日はハイテンションだね」
リビングルームで虚空に投影された複数のスクリーンを見ながら作業しているゆる姉様は僕に苦笑交じりの挨拶をしてきた。
[はい!空間操作は家事と相性が抜群すぎると再認識したので!]
「…後ろのお二方~?」
ゆる姉様が僕の後ろに居たタイムさんとフィラさんに確認を取ると、
「「常人には無理ッス」」
即答された。なんで!?
「OK把握。まあ、君しか出来ないんだからあまり無茶しないでね?」
[ゆる姉様。朝ご飯はガッツリと軽めどちらが良いですか?]
「ん~…一晩中忙しかったからちゃんと食べたいなぁ」
[了解です。みんなもガッツリが良いかなぁ…二人は?]
「少し血が足りないので、食べます」
「師匠のご飯食べたいッス!」
[りょうかーい。あ、今回はちょっと時間との闘いになるから見ているだけね?
僕はそう言ってキッチンに入る]
昨日帰る前に炊飯器は再びフルで準備して置いた。6時に炊き上がるようにセットされていて、炊き上がっている。
さあ、今日の朝はオムチャーハンと中華風スープ、そしてキュウリと大根とワカメの中華風サラダを作ろう!
チャーハンのお肉はハムでは無くベーコンでやるよ!
~~メイド料理中~~
おかわりは普通のチャーハンになってしまうけど、ある程度はあるから大丈夫…だと良いなぁ…(昨日のことで学習済み)
「おおおお………朝からオムライス!?」
[せお姉様。大興奮している所申し訳ありませんが、オムチャーハンです]
「大して変わらないよ!」
[いやかわるがな]
そんなやりとりをしながら皆さんやはりおかわりまでしてしまいました。
残ったらお昼にと思っていたけど…お茶碗およそ30杯分以上はあったハズなんだけどなぁ!?
賑やかな朝食を終え、片付けと巽さんへの朝食としてチャーハンのおにぎりを2個用意する。
[では行ってきます。昼過ぎ頃妹と来ますので]
「行ってらっしゃい」
伊邪那美お母さんに見送られて僕は神域を出た。
カジュアルモードに変えてエレベーターを待つ。と、扉が開いて巽さんが待っていた。
「姫様おはようございます」
ピシリとした格好の巽さんにちょっと固まってしまった。
いや、ぇえー?
「姫様のご家族にお目にかかるのであればこれくらいは必要かと思いまして」
男装の麗人モードの僕なんて目じゃないくらい男装の麗人となっている巽さんにうわぁ…と思いながらも、
[おはようございます。今日もよろしくお願いします]
と、無難な挨拶をし、おにぎりを手渡した。
「これは?」
今日の朝食。神様方と僕の朝食の残りで申し訳ないですけど…
「よもや神饌を…神人共食のご相伴にあずかれるとは…感謝の極み」
[そんな凄いモノでも無いですよ!?僕も一緒に…それ自体が神人共食なので巽さんのは…]
「神域で姫様が料理をした。是即ち姫神様よりの神饌であり、神々の食した食事をこの様に…っ!」
泣くほどのこと!?
僕は感動で泣いている巽さんをよしよししながら車へと向かった。
車は車で十数分の距離にある僕の自宅へと車は快調に走っている。
───久しぶりだなぁ…ご近所さんにも少し挨拶しようかなぁ…あ、この辺りまったく変わってない。
そんな事を思いながら自宅付近にさしかかった。が、
「姫様…此方で、間違いは無いのでしょうか」
[住所はここ、なんだけど…ナニコレ]
ほんの数年で、僕の住んでいた家は要塞と化していました。
いやなんでそうなってるの!?
───とりあえず、兄さんを問い詰めなければならないようだ。
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