84話 TS化した僕は無事帰宅する

 買い物を終え、無事にマンションへと到着した。

 ───あの後、店員さんから「酒は定価だけどツマミはプレゼントだ!神々の宴会にうちのツマミと漬物が使われたって自慢できるからね!」と、おっとこ前な事を言いながら袋一杯の柿ピーやらさきいかやらを戴いた。

 コンシェルジュさんに挨拶をして…ん?

「失礼。何かありましたか?」

 巽さんがコンシェルジュさんに何か確認している。

「住居者が~」とか聞こえる。

 もしかして、立ち退きかな?

『立ち退きと言うよりも、恐れて退去する方がいるという話みたいです』

 フィラさん聞き耳ありがとうございます。

 いっそこのマンションまるごと買うお大尽行為して神〇ビルって名付けるとか…

【せお:F〇7ですね分かります】

 せお姉様は何処でその情報を得ているのかなぁ!?

【ゆる:面倒が無くて買えるなら買ったら?アイテムなら出すよ?各臓器の復活、回復薬とかなら超需要無い?】

 急に怖い話しないでください。まあ、後で巽さんに聞いてみます。

「姫様、お待たせ致しました」

[何かあったのですか?]

「いえ、あの報道の後、入居していた数名がここを離れたいとのことらしいので…エレベーターの一部使用が制限されると」

[あ、やっぱりですか…それでなんですが、このマンションっていくらくらいですかね?]

「えっ?まさか…このマンション自体を、ですか?」

[今、少し話をしていまして、面倒が無ければ購入したら?と。実質若返りの薬…各臓器の復活、回復薬とか売れば良い?と聞かれていまして]

「っ!少々お待ちください!」

 ───アレ?これって、飴と鞭?

【ゆる:流石無自覚姫。人心掌握術を分かってらっしゃる】

 ゆる姉様がお薬提案してきましたよねぇ!?そんな酷い事言うゆる姉様は普通のカレーです!

【ゆる:まさかのトッピングなし!?ごめんなさい!】

【せお:樹神殿を土下座させた初めての神子。恐らく歴史に名を残したね!】

 そんな歴史への名前の残し方いやですよ!?

「姫様。程度にもよるかと思いますが、協会もしくは官公庁合同オークションを開催して販売するというのは如何でしょうか、と」

 巽さんはスマートフォン片手に確認してきた。

【ゆる:じゃあ5本出すよ!あと、回復具合は調整して…臓器の損傷具合によって違うけど人で言う10年くらいの若返り効果ってことで】

 ゆる姉様のメッセージをそのまま伝えると巽さんは頷いてその旨伝えた。

「───恐らくですが、その薬1本で最低10億スタートとなるかと思います」

 え?高くね?

「神が保証する実質若返りの薬ですよ?何百億と持っている方々にとっては垂涎の的かと」

[え?でも回復薬とか快癒薬で治るよね?]

「老いに関してはさほど効果は現れていません。ですので復活という部分が重要になると思われます」

[……巽さんはいくらで売れると思います?]

「代理で購入となった場合は50億。直接であれば6~70億くらいでしょうか」

[バグってません!?]

「資産が兆単位の方々であれば複数本購入するかと思いますので。あと、今回内臓にダメージを負った中に資産家がいた場合…死に物狂いで購入するかと」

[そんな都合の良い人いないと思いますが…]

【せお:いるよ!二人ほど。まあ称号のおかげで色々カウントダウンだと思うけど】

 経済がヤバくなる可能性が出てきた件について!

 ───巽さんより月曜に協会の方で細かい話し合いを持とうという事でこの件に関しては一旦保留となりました。


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