76話 TS化した僕は添い寝で完オチさせてしまう。

「待て…えっ?次元断層が突破された!?神域結界もあるはずだが!?」

[ミツルギ姉様。もしかして、来るの感知できてなかったとかですか?]

「…いや、先にゲートの気配はしたが…転移できるなんてあり得ないと」

 呆然とした表情のミツルギ姉様。

[それが兄さんクオリティ…あの人、ゲームや漫画の世界に出た技とかは代替可能であれば出来る前提で試すトンデモ人間ですから]

「既に人じゃないだろう。それは」

[僕らが中学校の頃、兄さんに格闘ゲームの技をやってみてとねだった時からそうでしたから…]

 ───あの時は香椎さんの道場使わせて貰ったけど、香椎さん達が「は?いや、今跳足、いや瞬歩か!?」って動揺していたなぁ…兄さんは職業やスキルを得る前からおかしかったから今更驚くことでもない。うん。(思考放棄)

「とりあえず、三名の部屋は既に用意している。来て欲しい」

 ミツルギ姉様にそう言われて三人が席を立つ。

 あ、僕は今日アディエーナ様の添い寝しなきゃ…

 そう思いみんなの後を付いていった。


 みんなの寝室がビックリするほど良い部屋だった件について。

 広いよ?ベッドとか高級そうだよ?なんか、ホテルの良いお部屋みたいだよ?

「基本全員このレベルだ。そこに位の上下はない」

 ミツルギ姉様。ベッド大きすぎません?

「これでも普通のヒトガタ用ですよ?」

[あ、そっか…姿形が違う神様も…]

「そう。そう言った神のための部屋も用意しているの。空間掌握は便利よ?」

[空間操作ですらない…]

「で、どうするの?添い寝って」

[一緒に寝るだけですよ?]

「抱きしめたりは!?」

[変な事しなければ……]

「大丈夫!やらしいことはしませんから!」

[鼻息荒いから怖いんですけど…まあ、いいです。では、おやすみなさい]

「ああ、おやすみなさい」

 僕はため息を吐いてアディエーナ様の部屋に入った。

 パジャマにチェンジしてふとアディエーナ様を見ると…興奮していた。

 ハァハァ言ってますが?手ぇワキワキしているんですが?

「寝る時は腕枕しますから!」

[あ、さいですか]

「寝ます?もう寝ます!?」

[あ、はい]

 ベッドにアディエーナ様がダイヴする。

「さあ!お姉様!」

[はいはい…]

 普通に延ばされた左腕を枕に眠った。



 翌日、僕が目を覚ますと、アディエーナ様に抱きついており、アディエーナ様はちょっと他所様に見せられない顔で気を失っていた。

 ───いや、マジで何があったの?もの凄く怖いんですが。

 ベッドから降り、朝食の準備を行う。

 パンとオニオンコンソメスープ、カリカリベーコン、スクランブルエッグ、ブロッコリーのバター蒸しとカットトマト。

 ちょっと手抜き感はあるけど、量多めで作ってみました!

 いや、これブレックファストじゃね?

 あとはコーヒーと紅茶をいつでも飲めるように準備。

 これで言い逃れできないレベルでブレックファストになった!

 すべてテーブルにセットし終えた直後、

「みんなー朝ご飯だよー!」

 いつの間にか席に着いていた…と言うか、突然現れたゆる姉様が声を上げた。

[ゆる姉様。おはようございます]

「おはよう!夕べはお楽しみでしたね?」

 ニマニマ笑いながらいうゆる姉様。

[なにかありました?]

「またまたぁ…アディの神気が揺らいでいたから…ん?」

 ??

「…えっ?まさか、何もない?」

[良く分かりませんがグッスリでした。それによろしくないことは弾かれるのでは?]

「…あー…マジかぁ…本当に何もされてないんだぁ」

 ゆる姉様が頭を抱えた。


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