72話 TS化した僕は念のために聞いてみる
「流石は我が子です!人が出来ぬ偉業をやってのける!」
伊邪那美お母さんがフィーバーしてるよ…
[ゆる姉様とミツルギ姉様]
「ん?なーに?」
「聞きたいことでもあるの?」
はい。こんな風に封印されてしまった神様って、結構居ますか?
「知っている範囲だと…うーん…五、六名?」
「ゆると同じくらいかな…だいたいは封じられる前に世界諸共死ぬから」
[なんか物騒な台詞が!]
「そう?星レベルならそんな事は無いんだけど、事象神や時空神クラスは星以外の概念を管理していたりするから」
「敵次第ですよ?邪神達はそのクラスの概念神に手を出してしまった場合酷い目に遭うか、もし倒してしまった場合は即座にそのクラスの神格及び能力がない限りはその世界から全ての事象や時空が失われるのです」
[意味が、分からない]
「時空神の上位互換が事象って感じかなぁ…時空神はほとんどが下位世界独自の神だからね。」
[そうではなくてですね、倒した側が倒された側の役目が出来なかった場合、その世界からその役割の事象が失われるということですか?]
「そうよ」
なにそれ怖い。
「だから簒奪した神が慌てて代替神として5~10くらいの下級神を創り出して管理したものの、結局その世界から幾つかの事象が抜け落ちていてとんでもない事になった…って事が偶にあるよ」
偶にあるんだ…
「最悪、世界運営に支障を来して自壊する世界とか、他世界に救いを求めて攻め込むタイプとか!」
「攻め込まなくても対応できそうな他世界の神に依頼をすれば良いだけなんですけどね…脳筋の多いこと多いこと」
蛮族スタイルな世界を笑うゆる姉様と毎回対応しているのか苦い顔をするミツルギ姉様に僕は心からありがとうと感謝を念じる。
「私達の世界で一番重視しているのは死の概念です」
[伊邪那美お母さん?]
「この世界中多くの神がエリアごとに複数名の死を司る神が居ます。これは死が救いであり、時の概念に対して老いと死を追加しているのです」
[んんんんっ?…時間を司る神様は実はカウントをしている神様で、それに対して死を司る神様が連動するようにしているからあわせて時間の流れという事象となっている?]
「まあ、簡単にいえばそうなりますね。死がなければ永遠に生きものは増え続け、飢餓で苦しみ、治ることのない怪我や病気で苦しむ…そういった拷問のような生を永遠に送り続けるのですから」
「だからこの世界は分離型階層世界を採用しているんだよね」
世界の根幹がこんな…立ち話的な状態で語られるって…
「僕らからしたら些細なことさ!」
せお姉様がみたらし団子片手にドヤ顔で現れた。
[あ、せお姉様…つまみ食いですか?お夕飯前に]
「どうしてもお団子が食べたかった!」
まあ、神様からすれば些細なことかも知れませんけど…
「はいはいはいはい!二人とも起きる!」
せお姉様が二人に神威を浴びせる。
[ちょっと乱暴すぎません!?]
「「はっ!?」」
…まあ、神様と多分上位悪魔?だからなのか、肩を叩かれた感覚で目を覚ました。
「君はお夕飯の準備お願い。僕らはこの新規入居者に色々説明するから…ああ、お兄さんの舎弟像は僕の方で勝手にボックス漁って取ったから!」
[あ、はい。プライベートボックスのプライベートの意味って、何だろう…]
「基本的には個人の自由は尊重されるけど、今回は色々ありすぎだったから!」
あ、はい。
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