【800万PV感謝】ダンジョンのある現代でTS化した僕は全力で癒やし要員となる

73話 TS化した僕は勘違いを悟る

　さて今日のお夕飯は何にしようか…

　肉多めだったから野菜中心が良いかなぁ。

　よし。肉じゃがとほうれんそうのゴマ和え、大根と大根葉のお味噌汁にしよう！

　ご飯は色々諦めて新しい１升炊きの炊飯器で七合…いや、八合炊く。

　肉じゃがの下準備が少し大変だけど…ってあぶなっ！

　メイドモードにチェンジしておこう。

　～～メイド料理中～～

　キッチン中に肉じゃがの香りとお味噌汁の香りが充満している。

　換気はしているけど、この香りは…うん。良いね。

　全員分の準備は出来た。

　［皆さーんご飯ｄ『ご飯っ！』］

　…神様餌付けできる説、濃厚。

　あと、今気付いたんですけど、ダイニング少し広くなってる。

　テーブルも長くなってるし…気付かなかった自分ポンコツスギィ…

「お肉多めの肉じゃがだ！ご飯がなんかいつもよりふっくらツヤツヤしてる？」

　せお姉様鋭スギィ！

［炊飯器、新しく買った物で炊いてみました］

「みんな早く食べよう！ほら！君達も！」

「えっ！？食べても、良いんですか？」

　驚くアディエーナ様にせお姉様は当然と頷く。

「君達は彼…彼女の事を側で守るんでしょ？だったらここに住まう権利があるよ」

　この台詞にはその横に居た二名も驚いたらしく、目を見開いて少し口も開いていた。

　…ん？

　えっと…リリートゥさんはわかる。

　そのお隣のボーイッシュな子は…もしや、兄さんの舎弟さん！？

　いや、は？女の子！？像はそんな感じしてなかったよ！？

　───落ち着け。冷静に、冷静に…男の娘という線も…ないな。一応胸もあるし。

　全員が席に着き、いただきますの言葉とともに食事を始めた。

「ご飯うっま！え！？肉じゃがとご飯とお味噌汁ルーティーンでずっといける！」

［一人２杯くらいならおかわりできますよ］

「おかわり！」

　せお姉様が真っ先に手を挙げ、続いてゆる姉様が手を挙げた。

　……ここで嫌がらせアイテムを一つ。

　ご飯と一緒に大根葉のふりかけを小皿に少しだけ入れて出した。

　見た瞬間に固まるせお姉様。

　ぎ、ぎ、ぎ、と。こちらを見る。

　ニッコリ笑顔を見せる僕。

「おかずマネジメントの敗北…」

　そう呟いて何故か肉じゃがとお味噌汁を先に食べ始めた。

　ゆる姉様もまったく同じ反応だった。

　まあ、みんなに好評で良かっ…！？

　リリートゥさんと舎弟さんが泣いてる！？

「こんな、優しくて、美味しい…」

「美味いっす。美味すぎるッス…食事なんて初めてなのに…うううっ！」

　いや、お箸上手に使えているのに、初めてとな？

　ガチ泣きしながら食べている二人のご飯がもう無い。

　よし。

　炊飯器とお味噌汁を台車に載せて移動！

［おかわりもありますよ］

「…良いんですか？」

［全員おかわりできるようにご飯も用意していますから］

　アディエーナ様は少し恥ずかしそうにご飯とお味噌汁をおかわりする。

［おかず残っているのにご飯がないのは寂しいですよ？］

　そう言ってリリートゥさん達のご飯も強制おかわりし…結局全員ご飯をおかわりした。

　せお姉様のみ三杯食べました。

　全部綺麗に片付けを済ませ、僕は部屋に戻る。

「ゆーくん」

　ミツルギ姉様に呼び止められた。

［何でしょう？］

「改めて、アディエーナ達と少し話をして欲しいのだけど…」

　───確かに、あんな手段で服従や捕獲…？されたら気持ち的にも良くないよね。

　ミツルギ姉様に分かりましたと告げて共に隣の部屋へと入った。