58話 TS化した僕の妹が何やら決めるそうです
「で。話を戻すけど、この子の職業…今なら確定できるけど」
「女騎士で」
まさかの即答だった。
脳筋?いやいや…何か理由があるはずだ。
「理由は?」
「姉さんを守るためです!」
「合格!はい決定!」
[待って!ミツルギ姉様!そんな簡単にOKだしてどうするの!?]
「身近な人を守りたい。それでは駄目ですか?今なら自身で選択できるというのなら、私は迷わず女騎士を選びます!」
「あ、でも家政婦長だと初期スキルの中にプライベートバッグついてるよ?」
「…えっ!?」
[今揺れたっ!?ゆる姉様後出ししてきた!]
「あ、でもプライベートボックスがあるので大丈夫ですっ!」
何とか耐えたっ!?
「家政婦長の上位は女主人。その上は女領主だから戦闘もこなせるよ?」
[ゆる姉様。なんでそんなに家政婦長推しなんですか!?]
「だって女騎士だと完全戦闘職じゃないか!いや、まあ女聖騎士とか女伯爵とかいけるかもだけど!」
「諦めろ。さっき即決定したのだから」
「本当にしたの!?」
「当たり前だ。ゆーくんを守る人間は多ければ多いほど良いんだぞ?」
[あの、そもそも佑那はここ住では無く自宅に住んでいるのであまり関係は…]
「えっ?週一でここに来る予定だったんですけど…駄目?」
[駄目じゃないけど…]
「来たら私が戦闘指導できるぞ」
[───魅力的な死刑宣告という良く分からない言葉が脳裏をよぎったんだけど…]
「ああ、そうだ。祝福とスキルの確認をしてくれ」
「はい。わかりました」
佑那は集中したいのか暫く目を閉じて何か考え込む仕草をし、
「あの、女騎士にバトルドレス一式とあるのですが、これってなんでしょうか」
上級探索者の一部しか手に入らないような防御機構をポンポン与えたら駄目ですって!僕が言えた義理じゃ無いですけど!
「いやぁ…家族で仲間外れは可愛そうかな、と。そこまで多機能にはしていないぞ!?」
「ぃよし出来た!」
[うわぁ!?なに!?せお姉様!]
「機能改善だよ。祝福の中にメッセージ機能を正式採用したんだよ。ただし、変な邪魔が入らないようにして」
[まあ、凄い便利ですからありがたいんですが…]
「伊邪那美様もいつもメールできますよ」
「よくやりました!」
うわぁ…10分に一度メール来そう…
「ええっと、機能について確認できたかな?」
「あ、はい。バトルドレス一式は装備がバトルドレスと女武者装束の二種類で、武器はポールウェポン、刀、剣、細剣、和弓から選べるとなっています」
[武器が多彩すぎて怖いんですが…盾ないの!?]
「盾?必要か?」
「知らない子ですね…」
[なんでそんなに好戦的なの!?]
「防御機構自体が結構な防御能力を持っているんだ。盾はほとんど要らないだろ?」
[万が一が怖いんですよ…]
「少なくともこの子レベルで万が一って、災害級では?」
[……否定できない!]
「そこは否定するところですよ!?」
[兄さん。否定できますか?]
「俺に聞く意味あるのか?少なくとも妖怪妖魔以外のモンスターなら勝てるだろうな」
「ああ、そうか…今はこの子だけその類とは戦えないのか…うっかりしていた」
[せお姉様、破邪や破魔で使えるアイテムって、どういった物がありますか?]
「えっ?色々あるけど、すぐに渡せるのは護符くらいだよ?はい」
[確認したかっただけなのですが…えっと、ありがとうございます]
「それ持っていたら周辺2メートルはそこそこの妖魔が消滅するくらいの破邪の力込めているよ」
「成る程…いざとなれば押しつければ格上の妖魔でも退治できると」
[せお姉様のそこそこの妖魔ってどの程度なのか怖いんですけど?]
「ん?普通の鬼なら何とかなるよ。それに僕とパス繋いでいるから駄目になる事無いし」
…これ、何かとんでもないフラグ構築されていませんか?
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