57話 TS化した僕は裏で起きていた事を知る
うちの兄と妹が人外魔境な側の人間だった事に一部納得しながらも、ふと思った事を口にする。
[僕、佑那のその異常な戦闘の事知らなかったんだけど…]
「その頃兄さんは超常ストーカーの被害に遭っていたではありませんか」
[えっ?なにそれ…僕知らないんだけど…]
「「えっ?」」
[えっ!?何その反応!]
「いや…友紀。お前、これまで超常ストーカーと誘拐未遂、どれだけ受けていたか分かるか?」
[分かんない]
「即答か。中学校の頃からだが…香也君どれだけ苦労したのかが分かるな」
「週一で兄さんに武術習いに来ていましたよね」
「あんな見様見真似武術止めて香椎さんの家内武術習えと言ったんだけどな…」
「私は?」
「お前は即殺系じゃないとサバイバルで生き残れないから」
「何がどうしてそうなるんです!?」
[で、僕の件は?]
「あー…多分ほとんどお前の友達が処理しているぞ。佑那の逆バージョンだな」
「あ、それ知ってる!多分最後の部分辺りだけだけど、ゆーちゃんの友人君が銃持った六人組と憑きもの使い二人相手に戦っていたやつ!」
[何そのトンデモ時空!]
僕のシラナイセカイがある!?
「人身売買組織とダンジョン過激派の一派が組んでたんだっけかな…あの時友人君の他に二人ほど顔を隠した人がいたけど?」
「あー、恐らくその人達は香椎さん親子ですね。実戦経験を娘さんに積ませるために乱入したのかと」
「銃弾を避けたりしながら乱戦に持ち込んであっという間に壊滅させていたなぁ」
[ゆる姉様、その頃から僕見てたの?]
「うん!ゆーちゃんいつも私含め周りに感謝していたから偶にちょっと見る程度だったけどね」
「超常ストーカーは恐らく香椎の長老が殲滅したんだろうな。その類ができるのはあの御仁くらいだ」
[いや、人の身で妖怪妖魔は倒せないでしょ!?スキルでも退魔系じゃないと…それにあのおじいちゃんのんびりさんな記憶しかないよ!?]
「…いや、ああ見えて中務省の武官隊教導筆頭だからな?数百年続く退魔の家系だからな?」
[あの地域一帯アンタッチャブルな危険地帯なの!?
もしかして駄目両親が逃げたのって…]
「いや、駄目親父は闇取引をやらかして逃走。お腐れ母は身の危険を感じて口座の金を全て下ろして逃げただけだ。まあ、逃げる前に両方から全権利放棄の文章に一筆書いてもらったが」
…ええー?
「ちなみに生活費に関しては俺が密かに稼いでたものとダンジョンで稼いだものの二つあってな、何かあった時でも二人が普通に成人後十年くらいは暮らせる金額を入れた通帳を俺の部屋に置いていた」
兄さん…
「えっ?何この理不尽な聖人。ああ初期職聖者か」
[ミツルギ姉様、そこじゃないです]
「何か?」
[両親別々に逃げたって事だよね?僕らを置いて]
「ああ」
[その闇取引の相手さんは?]
「結構大きな組織だったな」
[兄さんはそれを知っていると]
「無論だ。数年前に潰したしな」
[………うーわー……なんか、うん。2点だけ聞いていい?]
「普通に聞いていいが…どうした?」
[何の闇取引だったの?]
「強力な呪具やダンジョン奥で拾った危険物だったらしい。そこのボス捕まえた時に聞いた」
[それって、ゆる姉様が見てたっていう戦闘関連の組織?]
「ああ。ちなみに外国の組織が大元だな。国内のはその時のが元で潰れた」
[…で、父さんは淀みの中にいて、母さんは外国にいると…]
伊邪那美お母さんを見ると小さく頷かれた。
[上級探索者呪殺テロの犯行組織じゃね?その組織]
「あー…らしいな。現地の連中がそう言っていた。世界規模の組織だったらしい」
[兄さんは何故そこまで関わったの?]
「ん?家族を攫われそうになったんだ。報復は必要だろ?」
当たり前のように言う兄さんに女神様方が全員頷く。
佑那はついて行けずに困惑しっぱなし。
───兄さんがワールドワイルドウルフな件について(錯乱)
「現地に殴り込みに行って、昔助けた探索者をガイドにしたら結構大事になったが…まあ、俺は表に出ずに現地の捜査機関が俺の突撃後十数分待って突撃するって事で了諾をもぎ取り突撃。
全員ぶちのめして証拠含め全てを渡して俺は帰国…往復1週間くらいだったし、佑那も旅行でいなかったから気楽だった」
[───気楽な旅行気分で組織を壊滅する兄さんって…]
「それでこそゆーくんのお兄さんです!」
ミツルギ姉様。そこ感動するところ!?
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