55話 TS化した僕の妹に姉ができた件について
「おまいう」
[兄さん?]
「いや、何故か言わなければならない気がした」
[訳分からないよ?]
十数点あったアイテムはすべて魔力等の増幅装置らしく、ミツルギ姉様曰く
「昔奴等が侵攻してきた時に切り札として持っていたモノと能力は同じだな」
との事。
[切り札が切り札では無くなっているってことだよね!?]
「いや、恐らくは今も切り札レベルだと思うぞ。彼を出禁にした理由は恐らく対策をたてる前に主力級の奴等が軒並み倒された結果だろうからな」
「最下層世界と思って安心していたらバグキャラに拠点壊滅させられまくって涙目って事だね!」
[せお姉様が毒されてる…いつからゲーム脳に…]
うちの兄さんをバグキャラだなんて…言い得て妙だけど!
「わかりやすく例えただけなのに…」
「兎も角、これは我々には過ぎたものかと思いますので…」
兄さんはそう言って全部神様に渡した。
「ありがとう!じゃあ、これを使ってゆーちゃん達の衣装を強化しちゃおうかな!」
[あ、いえ結構です]
「なんで!?」
[ただでさえ使い切れていないモードがあるのにこれ以上増やされるの困ります]
「うーん…じゃあゆう君の装備の強化は?」
「ゆう君?…これの、強化ですか?」
不思議そうな顔をする兄さんにゆる姉様が満面の笑みで頷いた。
「…結果性別が変わるなどが無ければお願い致します」
「ゆう君レベルになるとそういった類は受け付けなくなっているからね!?君既に職業とスキルのアシスト無しで色々してるじゃない!」
「結羽人兄様…」
結羽人兄さんェ…佑那が思わず昔の呼び方してしまうくらい引いてますよ?
「まあ、あとでちょっと話そっか。で、その子なんだけど…」
ゆる姉様が佑那の方を見る。
佑那はビクリと体を震わせた。
「まだ職業選択受けていないんだよね」
「は、はいぃ…」
ゆる姉様威厳が漏れてる漏れてますって…
「おっと、じゃあちょっと見ても良いかな?」
「えっ?でも…」
ビックリした顔でゆる姉様を見つめ、僕を見る佑那。
「ゆーちゃんは私の妹だから!特権と思って!」
───何故そこでドヤ顔?
「えっ?友紀お姉様のお姉さん…?では私のお姉様?」
ゆる姉様。うちの妹混乱してます…よ?
「そうだね!ならゆう君も僕の弟だね!」
「自分以外弟妹二人のみなので」
「えーーーーっ!?そこ断るの!?」
まあ、兄さんらしいかな。
「さてさて!ゆーなちゃんの職業を見てみよう!」
「はい!よろしくお願い致しますお姉様!」
「えーっと…ナニコレ」
[えっ?どうしたんですか?]
「…ゆーちゃん。この子、今まで何をしてたの?」
[と、いいますと?]
「ちょっとこれ見て」
そう言ってゆる姉様は虚空に佑那の職業一覧を表示した。
・チューター
・ハウスキーパー
・ディーヴァ
・デイム
[………えっと、チューター以外は全部聖者とかの特殊職ですよね?]
「うん。家庭教師に、家政婦長、歌姫、女騎士…方向性がほぼ迷子なんだけど」
困惑しているゆる姉様だけど、何となく合点がいった。
[佑那は近くのお嬢様学校に通っていたのですが、そこでこれらの下地ができたのでは…と]
「家政婦的な事もしていたって事?」
[多分それを含めた女主人って事ではないかなぁ、と]
「この中からランダムでって事になったら大事故だよ?」
「私としては女騎士であれば指導可能だな」
[ミツルギ姉様の指導…あ、そういえば佑那はもの凄く歌が上手ですよ]
「!?」
僕の台詞に女神陣が反応した。
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