47話 TS化した僕は町を歩く(経済効果!?)
警備員がもの凄い勢いで駆け寄ってきて、こちらを見て戸惑った顔で店長を見た。
あ、なんか悪いの店長になりそうな雰囲気。
[申し訳ありません…購入した商品を一括でボックスに収納して見せたので驚いて悲鳴を上げたようです]
そう言って警備員に頭を下げると警備員は「あ、はい」と言ってすぐに戻って行ってしまった。
それでいいんかい…
あと巽さん。何故ドヤ顔してるのかな?
必要なものはほとんど購入できた。
家電以外の物はマンションに届いていると言われ首をかしげたが、中程度のダンボール4~5個程度であればコンシェルジュさんが一時的に預かってくれるとのこと。凄いなぁ…
あとは、食料品等の買い出しと、日本酒を含むお酒。そして和菓子と…洋菓子も買っておこうかな。
ちょっと、いや大分大人買いするのでウッキウキである。
スーパーに入る際にラタンバスケットはあらぬ疑いを掛けられてしまうのでプライベートボックスにしまい、買い物カゴとカートを用意。
あ、巽さんも一つお願いします。
~10分後~
「お会計39417円になります───4万円からで宜しいでしょうか」
食べ盛りの女神様四名いるので飲食だけでもまあまあ掛かるなぁ…お金を払い、ラタンバスケットを取り出してそこに購入した商品をどんどん入れていく。
途中、店内からざわめきが起き、シンとなったけど冷たい物もあるからこっちは急いでいるんだよ!
全部しまい終えて辺りを見ると、店内の視界に入っているほぼ全員が僕を見ていた。
僕はスカートを軽くつまみ、失礼しました。と軽く会釈して巽さんと共にスーパーを出た。
さて、続いては数件隣の酒屋さんだ!
「いらっしゃい」
少しご年配の女性がレジの前に立っていた。
「姫、ビール等は先程の店で買いましたのでこちらではウイスキーや日本酒という事で宜しいでしょうか」
[ワインもかな。予算は6~7万円で。僕そんなにお酒飲まないから分からないものも多いけど…]
「お手頃品と珍しい物を中心に購入致します」
[お願いします]
巽さんが店内を物色し始めたのを見ながら僕は何となく日本酒を見る。
あ、楽器な政宗さんに伊根町の古代米だ。この二つは確保。
「なかなかいい趣味してるね」
レジの女性が声を掛ける。
[あまり日本酒は分からないのですが、多少は…あ、すみませんが]
「なんだい?」
[神様にお供えするなら!という良いお酒ありますか?]
「お供えする物ねぇ…どぶろく特区の物が少し前に入ってきたっけか…ああ、これこれ。開栓に少しコツがいるけど、どうする?」
[買います。あと他に目上の女性におすすめのものを2本ほど…]
「日本酒でかい?」
[はい]
「若い子なら持っているその2本で十分だけど、そうだねぇ…青森の豊な盃や秋田の飛びきり良い泉かねぇ…ああ、でも群馬の町田さんの雄町を使ったうすにごりもおすすめだねぇ」
[ではその3本も]
「豪快だねぇ…でも全部持って帰るうちに温度がねぇ…」
[それは大丈夫です。巽さん?]
レジの方を見ると、巽さんがウイスキーやワインを二十本近く置いていた。
「ザ・マ〇カラン12年、バ〇カー各種に余〇、HI〇IKI、白〇、リ〇ーブ、知〇、富〇山麓の旧ボトルもありましたので確保しました。あとは国内のワイナリーで作られたワインを7本程…」
うわぁ…大人買いしてるぅ…
「しかし、販売終了品や稀少なお酒が多いのは嬉しいですね」
満足そうな巽さん。多分僕が日本酒コーナーに居たから選ばなかったな?
「税込み75515円だけど…大丈夫かい?」
[あ、問題ありません]
そう言って支払をし、伝票をもらう。
そしてラタンバスケットを開けて商品を全て格納。
「へぇ…凄いもんだねぇ」
驚いた顔の女性にありがとうございますと一礼して店を後にした。
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