44話 TS化した僕の妹?に貢がれる!?
「お姉様っ!」
おっと、誰か来たようだ…というテンプレ構文?を脳裏に浮かべつつ、声のする方を向く。
───見た事ない子?
そこにはボブカットの少しおっとりしてそうな女性がいた。
お姉様?
首をかしげる僕に女性は「はいっ!」と元気よく答える。
うん。良いお返事…じゃなくて。
「お姉様にご報告がありまして」
僕に?
その前に、誰?
不思議そうな顔をしたままの僕にその女性はそのまま話し出す。
「はい!お姉様が仰ったとおりに宝くじを買いに行ったら昨夜の抽選で1等を5口当ててしまいました!」
…………はい?
いっとうごくちって、なに?
「えっと、買い方とか分からなかったんですけど、売り場の方に教えていただいて…同じ数字を5口お願いしたら「同じ番号を複数口となっておりますが、宜しいでしょうか」と言われたんですけど「お姉様が買うようにと」って言ったら了承してくださいました!」
…売り場の人、ホント済みません…僕そんな事言ったことないよね!?
でも話はまだ続く。
「それでお家に帰って、すぐに夜のバイトに行って…朝、新聞で当選数字を確認したら当たっていたんです!私ビックリして急いで銀行に行ったらやっぱり当たっていて…」
[混乱と興奮が混ざっていて色々大変な事になっているから落ち着きなさい?]
「はい…」
ちょーっと記憶の整理をする。
[僕に対してここでお姉様って言ってきた人って、告解室の子かな?]
多分そうかも?でもまあ、告解室での話は秘密にするのが普通だろうから何も言わない。
「それで…お姉様にはせめて2口か3口分もらって欲しいなぁ、と」
[…………はい?]
何かぶっ飛んだこと言ってませんか?
[購入したのは貴女ですし、数字も口数も貴女が決めたのですよ?]
「でも買うように勧めたのはお姉様です!なのでせめて6割はお姉様にと!」
[いや、さっき1等って言ってたよね?]
「はいっ!」
大金だよね?
「はいっ!でも銀行で「お姉様と一緒に買いました」と告げたら「その方と一緒に来てください」って言われました!」
やだこの子、満面の笑み…アカン…この子、絶対僕に受け取らせるつもりだ…
[えっと、僕がそれを拒否したら…]
「勿体ないですけど…破ります」
なんという脅しをしてるんだこの子は!?覚悟決まりすぎてるよ!?
[ええっと、金額の方は…]
「1等当選金は1億6千5百万円くらいです!」
この子、僕に5億円近く渡そうとしてるって事!?
「お姉様に心も体も救われた私は…本当は4口渡したいのですが、その…」
───失踪したお父さん関連の借金かな?なら破るとか言わずにもらってよ…
[僕はもしもらうとしても1口で充分過ぎるんですけど]
「いえ!お姉様には3口で!私のような人間が下手にお金を持つとロクな事にならない気がしますので!」
もの凄い押し問答になっちゃうなあ
[…分かった]
「ではお姉様!」
[僕は午後から買い物予定だったけど、君はどうする?]
「私は今日お休みですので!」
ああ、だから銀行行ってくることができたのか。
[分かった。一緒に銀行に行こうか]
「はいっ!お姉様とデート…」
護衛の巽さんも来ると思うけどね…そういえばうちの課の人、戻ってきてないなぁ…尾梶さんも居ないし。
っと、急いで行動予定の変更を行動計画書に落とし込んだ。
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