39話 TS化した僕は朝餉を作る

 朝です。朝ご飯の時間です。

 そして今日からは僕含め5人分作らないといけないので少し時間を前倒し。

 とはいえ24時間起きている神様が朝食軽めとかそういった感覚はないっぽい。

 そもそも食事しなくてもいいんじゃないの?と聞いたらきっとミツルギ姉様とせお姉様辺りが泣くと思うから今日もガッツリ作る。

 ご飯も少し多めに炊いておいて…

 だし巻き卵ともやしと豚肉のぽんしゃぶ、きゅうりの唐辛子酢、しめじと白菜、ベーコンのお味噌汁でいいかなぁ。

 早炊きご飯が炊き上がるまでにできるものといったらこれくらいが限界だよね。

 さあ、まずはお味噌汁からだ!



 まさか、朝からご飯をもう一度炊くことになるなんて…

 5.5合炊飯器を追加購入するか、1升炊きを買い足すか…

 ───神様方が食堂扱いし始めたら絶対に一升炊き炊飯器一つでは足りないし、食費が…って、ポーションとか国宝級の物とかが高ければ何とかなるかな。

 すぐに換金できなきゃ意味ないけどね!

 僕の預金どれだけあったかなぁ…今回の買い物、かなりの金額だったかなぁ…

 少し落ち込みながら出勤の準備を終える。

 あ、そうだ。今日は執事モードで出勤してみよう。

 女性の時のようにジロジロ見られたりすることは無いと思うし、なにより兄さんに似ているという事は僕が男に戻っている状態って事とイコール…とはならなくても、近似値的な感じだと思うし!

 と言うことで執事モードとなって出勤です!



 まさかマンション出る前にコンシェルジュさんに捕まるとは思わなかった…

 不審者扱いと言うよりもどこの部屋の関係者か聞かれまくっただけなんだけど、もの凄く興奮を押し隠している感じが怖かった。

 そして出勤中の現在、昨日とは逆パターンで女性の皆様方が僕の数メートル後ろを…警備の方跳ね飛ばされたし…怖いんですけど?しかも少しずつ距離を縮めてきて怖いんですけど!?

 あっ、警察官が…ブロックされた!?

「岩崎!」

[あ、課長!おはようございます!]

 ───今後ろから殺気とともにチッて…怖ぁ…

「岩崎、お前さんまたそんな格好を…しかし、その姿だと結羽人さんによく似ているな」

 課長は兄さんのこと知っているんですよね?

「勿論だ。と言いたい所だがその姿で思い出した。それに協会内でその顔を見たら何人かは倒れるぞ」

 ………えっ?

「特に西脇辺りが見たら凄いことになるな…まあ、今日アイツは休みだが」

[西脇さんに襲われちゃうの!?カジュアルモードか男装モードにしておいた方が良いのか…]

「その方が変な事にはならないだろうな。ああ、それと9時からで良いから、少し話し合いだ。巽も入れて3人でちょっと会議だ」

[ミーティングや打ち合わせではなくですか?]

「ああ。いくつか決定しなければならないことがあるからな」

[重要事項みたいですね]

「勿論重要事項だ。昨日の巽からの報告と中務省にいる知り合いからの悲鳴混じりの問い合わせがあってなぁ…」

 そう言って深いため息を吐く課長に「うちの神様が済みませんっ!」と謝りたくなるのをグッと堪えた。

 未だに後ろの方から複数の視線があるし、モードチェンジは入ってからやろう。


 入館のスキャンは何故か弾かれた。

 なんでや!女性の時はOKなのにこの顔駄目なん!?

 課長、「お前さんに男らしさは似合わないぞ」ってどういう意味ですか!?


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る