第6話 教えて、めぐっち!
先ほど電話をかけてきた相手は、秒で電話に出た。
「なんや」
開口一番。
不機嫌な声のトーン。
まだ私に怒ってるっぽい。
そりゃそうですよねえ……。
「折角寝とったのに」
あ、不機嫌の理由は私じゃありませんでした。
寝ているところを起こしたからでした。
「それはごめん。あのさ、聞きたいんやけど」
「あぁ、愛衣な」
流石我が親友。
言う前に察してくれた。
「なんで
高田愛衣をチラリと見れば、謎に微笑んでいた。
スキャンダル発覚前となに一つ変わらないアイドルスマイル。
四方八方から誹謗中傷を受けて傷ついていないはずがないのに。
憔悴した様子も落ち込んだ様子も見受けられない。
そんな彼女が、少し怖いと感じてしまうのはおかしなことだろうか。
「『お姉さまに言われたので』としか答えないんやけど。どういうことなん」
視線をそらす。
「そのまんまの意味なんやけど」
なんの変哲もないベージュ色の壁を見つめる。
「いや、だからなんで
「言うたやん『家の周りにマスコミがウロチョロしとる』って」
「おん」
「でな、家族会議でここにおらせたら外出一切できひんし、可哀想やなって。ママとパパが」
「ママとパパが」
「ん」
「いやいやいやいや」
お二人のことはよく存じております。
昔は大変お世話になりました。
だけども、言わせていただきます。
「自業自得やろがいっ」
そういえば昔から過保護でした。
甘やかしすぎた結果、こんな風に育ってしまったんですよ。
「あ?」
「おっふ……ナンデモナイデス」
即座に謝罪。
電話越しでもこえーよ。
「私らはええんやけどな。陰口叩かれたら実力行使するだけやし」
「やろうな」
坦々と言うな。
寝て少しは落ち着いたのか、冷静に会話してくれるのはありがたいけど。
今物凄い恐ろしいことを言ったぞ。
「マスコミがウロチョロしとったって気にならへんし」
「あぁ」
鬱陶しいと言いながらも、ぐうすか寝られるめぐっち。
肝が据わっている。
というか、呑気なだけか?
姉妹そろって。
「てか、そもそもなにかしら処分が出てるんやないの」
ふと思いついた疑問を問いかける。
答えは、
「「自宅謹慎」」
高田姉妹が綺麗にハモって教えてくれた。
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