第2話 怒りの電話
「あっ、めぐっち」
「なにが『あっ』じゃボケっ」
初手から暴言を吐いたこの人は、大親友『
私の実家は結構お金持ち。
家割と広いし。トイレ3つあるし。
でも、めぐっちの家は比じゃない。
大豪邸、のお隣に住んでいた私たち
通っている学校は違うかったけど、お隣さんだから小さい頃から毎日のように遊んでいた。
つまり、幼馴染。
「お前さぁなにしてくれてんねん」
彼女が何故ブチギレしているのか。
「えーっと」
「おいこら」
私がめぐっちの溺愛する妹――高田
「大炎上しとるやんけ。誹謗中傷の嵐やんけ。どないしてくれんねん」
あー出るんじゃなかった。
後悔したところで時すでに遅し。
「愛衣、事務所から言われて彼氏と別れさせられたねん。アンタが書かんかったら二人は幸せでおれたかもしれへんねん。おい、どないしてくれんねん」
数十秒の間に、二度目の「どないしてくれんねん」いただきました。
「いや……アイドルなんやし」
めぐっちにつられて関西弁になる。
東京に出てきてからは標準語で喋るように意識していたのに。
「はぁ? アイドルやからなんやねん。アイドルの前に一人の人間やろ。恋愛したってええやろーが」
声のボリュームは落としてくても、言葉の端々から怒りが伝わってくる。
対面じゃなく、電話越しで良かった。
すぐに手が出る人らしいから。
確実にぶん殴られてる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます