わたしの生活

やまなみよよ

わたしの生活

空の端から端までをなぞってるあなたにはかられたくないので


完全なかたちとはなに 透明なまるいしずくを半分に割る


鈍色の海はうつくしいそれ以外はうつくしくない(そうですか)


それぞれが尊重されるこの海でだまっていることは罪らしい


わかってる とつぜん踊ったりしなくてもみんなうれしいってこと


最強の物語 最強の仲間とわたしはお花を摘みにいく


爽やかに穏やかにいこうそして野原のうえに怒りを敷こう


あたらしくおおきくつよくはやくあるものを眺めて奥歯で砕く


わたしの特技はみどりの草はらをみどりの草はらと思うこと


このさきも時雨はつづくようなのでわたしは夜のアマゾンをゆく


生きることから逃げるためこころごと眠ってからおきた日曜日


後悔を銀のレードルですくって炭酸水で割ってのみほす


書きつける ひとりで生きていくようにスレートに傷をのこすように


あいいろのうみの波形をなぞるときすべての音は森へとかえる


白い紙、愛、くちなしの花 信仰をもたないわたしの教会


わたしのうたは甘えからできていてわたしも甘えからできている


あたえたいものなどないとおもってるすべって落ちる夏至のそうめん


夕月夜 世界を読んでいるうちにわたしの世界が終わっていた


いきていく透明な眼で夏みたく単純でいい生き方をする


わたしにはわたしのとびらあなたにはあなたのとびらと手帳に記す

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