第24話 『愚痴垢 ~side B』/「誕生日」始まり指定

 誕生日だったのか、今日……。

入社以来何かと助け合ってきた同期社員が、30歳という節目なのに1人きりでサービス残業している模様。これらの情報は全て彼の愚痴垢から入手した。

 ある日偶然知ってしまった、彼の心の闇への扉。

「おっと!」覗き込むつもりもなくスマホ画面が目に入ってしまったから、思わず声をあげちゃったんだよね。並ぶ文字列が、彼に似合わず辛辣な内容だったから。


 シャットアウトしたければ、俺に見つかった時点で鍵をかけたり、アカウント自体を消去するはずだよな。

現在の彼の投稿は、俺に見られるかもしれない前提で書いている……ということになる。

 

 気が付くと俺は、コンビニでケーキを2つ選び、職場へ向かっていた。

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