物理系魔法少女、配信やってみます
おはようございます。
まずは適当に菓子パンを食べまして、ギルドに向かう。
「結構来てた」
メッセージにより、紗奈ちゃんからおはようメッセージといってきますメッセージ、他にはちゃんと見てる? ちゃんと起きてる? などのメッセージが。
その数合計で62個にも及んでいた。
「き、今日はギルドに行くの止めようかな⋯⋯」
いや、貯金もいずれは尽きてしまうので何かしらしないといけない。
バイト面接でも探そうかな?
そう考えながらギルドの自動ドアを通る。
「スカスカ」
平日だしこんなもんかな?
俺は紗奈ちゃんの受付を探して、その場所に向かった。
「いらっしゃい、星夜さん」
「敬語忘れてますよ神楽さん」
紗奈ちゃんニコニコ、俺もニコニコ、内心バクバク。
笑顔の裏に絶対に鬼が居るよこの子。
めっちゃ怒ってるって分かるもん。
「なんで私に返信してくれなかったんですか?」
「寝てました」
久々にアラーム無しでぐっすり寝れたけど、腰が少しだけ痛い。良い布団などが欲しい。
生活環境の改善が当面の目標だな。
「まぁ今日は許してあげる」
「今日は、許してくれてありがとうございます。明日も期待してます」
「⋯⋯敬語」
そりゃあ今は仕事中ですからね。互いにと言いたいところだけど。
⋯⋯ステータスカード貰ってないから俺は仕事中では無いか。
「探索者ナンバーと名前を打ち込んでください」
探索者ナンバーはステータスカードを登録した際に渡される番号である。
スマホのメモ機能にしっかりと残しているので、打ち込んで名前を打ち込む。
すると、受付の裏で機械が動く音がした。
「ステータスカードです。お間違いないですか?」
「あ、はい間違いないです」
「それでは今日探索するご予定のダンジョンを教えてください」
昨日は初心者用のダンジョンに行ったけど、ぶっちゃけ余裕だった。
低難易度には変わりないけど、一段階上のダンジョンにしてみよう。
「えっと、フォレストで」
「かしこまりました。⋯⋯って、なんですかこのステータス!」
「え、何か変ですか?」
「変って言うか、凄いんですよ。ステータス評価にSが三つもあるって⋯⋯これ初期ですよね?」
「はい」
「えぐいくらいの才能ですよ。それに魔法攻撃力上昇のスキルレベルが20って、下級魔法のファイヤーボール一つで中級の魔物を焼き尽くせますよ」
中級の魔物の強さが分からないので、分からないです。
「一体どんな魔法が使えるんですか? ⋯⋯あ」
そこで見てしまったのだろう。
魔力FFFを。
「えっとまぁ」
「⋯⋯ふ、不思議な事もあるんですね。初期スキルは才能の現れとも言われているほどなんですけど、⋯⋯げ、元気出して」
そんなに落ち込んでいる風に見える?
落ち込んでるけどさ。
魔法少女については何も触れられなかった。
俺の心境を察してくれたのかな?
その優しさが心に染みるぜ。
「でも、昨日はそんなに驚かれなかったけどな⋯⋯」
「あぁ、あの先輩は仕事がてき⋯⋯同僚を悪く言うのは良くないね。なんでもない。頑張って、絶対に、ちゃんと帰って来てね」
うん。
って、まだやる事が残ってるわ。
「「あの!」」
「「あ、そっちから」」
「「めっちゃハモるな」」
⋯⋯沈黙。
「えっと、私から。これをどうぞ」
四角い包みを渡される。
これはまさか!
「賄賂?」
「弁当です。頑張ってね」
弁当を用意してくれていたのか⋯⋯なんて優しい子なんだろう。
うーん手に持っていたら大丈夫かな?
つーか、昼もぶっ通しでダンジョンに潜る事が確定したんだけど。
「あ、まずはありがとうございます。それと俺、配信者やってみたいんですけど」
「意外ですね。問題ないですよ。頑張ってください。登録するので、教えてね」
絶対に嫌です。
ところどころ敬語が無くなっている様に感じたけど、最後は仕事よりも私情を優先している気がした。
元気を貰ってしまったので、頑張りますか。
「ここがフォレストダンジョン⋯⋯本当に森の中って感じだ」
強制魔法少女、これは解除できないようだ。
さて、配信するにしてもまずはチャンネル名とかだな。
「ん〜魔法少女アカツキ。カッコイイし良いね」
元々この銀髪ロングヘアーモデル体型クール系美女モードはプライベート用にしようと思っていた。
なぜなら自分の性癖全開だから。
服装はメイド服が好きなんだけど、それは俺の心が許さないので動きやすい服装にしている。アサシン的な?
んで、配信者として使う魔法少女の見た目は唐紅のロングヘアー。
結ばないのを信条としており、これだけは譲れん。
スタイルはまぁ、信者を増やすためにも良くしておくか。
胸を大きくし過ぎると動きに支障が出るので程々に、服装は魔法少女らしいのにしよう。
物理で戦うしかないので、熱血系の女の子って設定だ。
「やってて恥ずかしくなって来た。レッドからブルーにしようかな?」
知力Aだし。
だけど『魔法少女アカツキ』と言う名前がすんなり出て来たし、このまま行くか。
気に入らなかったら変えよう。
「えっと、チャンネル設定とキャラデザは決まった。次は撮影か。配信サイトから直接撮影するのかな?」
その辺何も調べてない俺である。
「うっしこれでおけ。でも、スマホ片手って本当に難しいな」
ステッキがドローンで使えたらな⋯⋯おぉ、なんかできた。
これは良いのか?
スマホをセッティングして、飛ばす。
「戻ってこないよね?」
一定距離ならドローンを飛ばしたままできるらしいが、その代わりステッキが使えない。
今後金が増えたら、撮影機材を買えば良いだろう。
ま、配信を続けるならなの話だけどね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます