第11章 決戦、光竜王

1 ふたたびウラリス王国へ


 俺たちはウラリスの王城にやって来た。


「お久しぶり、だね。レインくん。それにミラベルも」

「ああ、久しぶりだ」

「ん。しばらく」


 出迎えてくれたマルチナに、俺とミラベルが挨拶を返す。

 ミラベルに関しては、前回の探索で同行したときの活躍もあり、今回俺と一緒に召集されたのだ。


「リリィとマーガレットはもう来てるよ。……で、その人は?」


 マルチナが俺の背後に視線をやる。

 それから、ぴんと人差し指を立て、


「あ、もしかして……あたし、分かっちゃった。その人が例の剣の持ち主?」

「ああ。初対面だよな。紹介するよ、ヴィクターさんだ」

「どうぞよろしく」


 ヴィクターさんが一礼した。


「マルチナ・ジーラよ。初めまして」


 マルチナが礼を返す。


 ――そう、今回はヴィクターさんにも同行してもらっていた。


 まだ謎が多いが、彼の持つ伝説級の剣『翠風の爪ローゼリア』には『燐光竜帝剣レファイド』の機能を増幅する力があるようだ。


 もしかしたら、同じ伝説級の剣である『紅鳳の剣ミラーファ』や『蒼天牙ファイザ』の機能も増幅できるのかもしれない。


 光竜王戦において、きっと大きな力になってくれるだろう。

 そう思って誘ったら、ヴィクターさんは二つ返事でOKしてくれた。


『私の力が役立つならぜひ参加させてほしい。その光竜王とやらが復活すれば大惨事だからな。戦闘は得意ではないが、私にもやれることはありそうだ』


 と、言ってくれた。


 ……まあ、戦闘面でも大いに活躍してくれそうだけどな、ヴィクターさん。


「じゃあ、ヴィクターさんも含めて、全員で集まろっか」




「というわけで、光竜王対策会議を始めます。司会進行はあたし、マルチナ・ジーラが務めるのでよろしくね」


 と、マルチナ。

 会議室のような場所で、俺、リリィ、マーガレット、ミラベル、ヴィクターさん、そしてマルチナが集まっている。


「封印装置の解析が終わった、って聞いたけど――」


 俺はマルチナに言った。


「じゃあ、これから光竜王の再封印をやるのか」

「ええ、そのつもり。ただし、再封印はいくつか段階を踏んでやる必要があるの」

「相手の妨害も予想されますね。光竜王の側近――七竜騎とやらも、あと五体残ってますし」


 と、リリィ。


「いや、三体だ。この間、俺たちの町に二体出てきて、俺やヴィクターさんたちで倒したんだ」

「さすが、レイン様です」


 説明したとたん、リリィが目を輝かせた。


「ああ、その場にあたしも居合わせたかった……レイン様の活躍を間近で見たかったです」

「またうっとりしてる。デレデレ」


 ミラベルがツッコんだ。





****


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