2 封印強化
俺たちはふたたび『光翼の遺跡』へとやって来た。
「封印装置のところまで行きましょう」
マルチナに案内され、全員で装置の元へ向かう。
前回の探索で罠やモンスターは軒並み突破しているため、今回は特に何事もなく装置までたどり着いた。
「三本の剣を使って、装置の出力を操作することができるみたいなの」
と、マルチナ。
「俺とリリィ、マルチナの剣を使うってことか?」
「そういうこと」
「了解です」
リリィも進み出た。
「ここのスロットにあたしたちの剣を差しこむの」
装置の中央部に三つの溝があった。
確かに、ちょうど剣の刀身がすっぽり入りそうな形だ。
「それから所有者がそれぞれ『力』を籠める」
「力……?」
「意思の力よ。強く念じて。『光竜王の封印を強化せよ』って」
マルチナが説明する。
「どうやら無事に封印強化が終わりそうだな」
と、ヴィクターさん。
「私の出番があれば言ってくれ」
ヴィクターさんの剣による伝説級の剣への補助効果。
それを使うことができたら、封印もより強くなるんだろうか。
「剣の補助機能の発動条件が分かれば、あるいは――」
マルチナがつぶやいた。
「ただ、現時点ではヴィクターさんの剣の機能をどうやって発動すればいいのか、不明です。まずはあたしたちの剣だけで封印強化をしましょう」
「ですね」
「了解」
うなずくリリィと俺。
「私がついてこなくても問題なく終わりそう」
ミラベルが言った。
「でも報酬はちょうだい」
「ちょっと待て、なんでお前に報酬が出るんだ」
ツッコんだのはマーガレットだ。
「あなたも報酬が欲しいの?」
「俺はリリィ先輩の役に立ちたいだけだ! 報酬目当てじゃねーよ!」
「私は欲しい。お金いっぱい億万長者」
「目が爛々としてる……!」
思わずつぶやく俺。
「危険手当って名目で一つ」
ちゃっかりしてるな……。
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