8 討伐効率化


 ここまで具体的に生息場所がわかってるなら、簡単に討伐できそうだ。


「ギルドに行って、こいつの討伐依頼があるか、確認してくるか……」


 もし依頼があるようなら、引き受けてすぐに達成できるだろう。


 ――窓口に行くと、今度はニーナのいるブースが空いていた。


「あ、レインさん!」


 ニーナが嬉しそうな顔をする。

 それから少しジト目になって、


「さっきはメアリちゃんのブースにいましたよね?」

「えっ」


 気づいてたのか。


「べ、別にレインさんがどのブースに行ってもいいんですけど。えっと、その……すみません」


 ハッとした顔で謝るニーナ。


「い、いや……」


 俺もどんな反応をしていいのか分からず、戸惑ってしまう。


「討伐依頼を確認したくてきたんだ」


 気を取り直して本題に入る。


「この辺りでブラックオークの討伐依頼は出てないか?」

「ブラックオーク……ああ、それならさっき出たばっかりです」


 と、ニーナ。


「東の森の中をひんぱんに移動しているらしくて、なかなか生息場所をつかめないんだとか。人を襲ったり、作物を荒らしたり……と近隣に被害が出ていますね」


 なるほど、探知器の情報とも一致するな。


「俺が受注するよ」


 即決だった。


 生息場所はもうつかんでるからな。




 というわけで、俺は東に3キロの地点――探知機が示した場所にやって来た。


 森の奥に、ブラックオークの小さな集落があった。

 前情報なしだと、見つけるのに苦労しそうな場所だ。


「探知機のおかげで楽ができるな」


 俺は剣を抜いた。


 攻撃は+10000の『燐光竜帝剣』を使い、防御は布の服や加護アイテムで万全。


 討伐自体はなんてこともなく、楽勝だった。





 ――それから一週間。


 普段の三倍近い討伐クエストをこなすことができた。


 ほとんど散歩のような感覚で探知した場所に行き、モンスターを狩る。

 それだけの作業を繰り返す。


 強化ポイントもかなり補充できたし、探知器様様だ。

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