14 そして、俺は今日も冒険者として
俺たちは帰路についた。
道中、もう一度罠を探り、モンスターがいないかも再チェック。
数か所、モンスターが新たに出てきた場所があったため、俺やリリィ、マルチナ、マーガレットでこれを打ち倒した。
――こうして、今回の遺跡探索は無事に終わった。
後はウラリス王国や他の協力国から魔導技師を派遣してもらい、光竜王封印装置の本格的な研究を始めるようだ。
もう一つの遺跡――マルチナが『
だから、光竜王封印作戦は、俺たち戦闘要員はいったん小休止ということになる。
俺はミラベルとともに冒険者ギルド『青の水晶』に戻ることにした。
リリィやマーガレットも所属ギルドに戻り、マルチナは平時の仕事である王国騎士をやるようだ。
「しばらくお別れだな」
「ま、また、どこかのクエストでお会いしましょうねっ」
リリィが俺にしがみつかんばかりの勢いで言った。
うっとりした表情になっている。
道中、彼女のこういう表情をよく見かけるようになったな……。
「ふん、またパーティを組んでやってもいいぜ」
なぜか上から目線のマーガレット。
とはいえ、その表情は柔らかい。
「みんなが一緒で心強かったよ。次のクエストでもよろしくね」
爽やかに微笑むマルチナ。
「私もがんばった。えらい」
と、自分で自分の頭を撫でているミラベル。
「ああ、またこのメンバーでがんばろう」
あるいは、次のクエストでは他のメンバーが加わったりもするんだろうか。
そして、俺たちはそれぞれの場所に戻った。
「随分と久しぶりな感じがするな……」
俺は『青の水晶』の建物内に入った。
時刻は昼下がりだ。
ミラベルは他に用事があるらしく、俺一人である。
「っ! レインさんっ!」
受付窓口からニーナが駆け寄ってきた。
「おかえりなさい!」
「ただいま、ニーナ」
俺はにっこりと彼女に微笑む。
彼女も満面の笑みだ。
「会えなくて……寂しかったです」
「ちょっとした旅だったからな。でも、しばらくはこっちにいるよ」
「本当ですか! 嬉しい!」
ニーナがさらに笑顔になった。
そこまで喜んでくれると、俺も嬉しくなる。
「次のクエストの連絡が来れば、また旅立つことになりそうだけど」
俺はニーナに言った。
「それまでは――引き続き『青の水晶』の冒険者としてがんばるよ」
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