10 『光翼の遺跡』へ
「ま、それ以上のことは俺にも分からねえ。俺の『鑑定』は武器防具アイテム専門でな。魔法に関しては専門外だ」
アルベルトさんが言った。
「悪いが力にはなれんな」
「いえ、剣を鑑定してもらったり、本当に助かりました。ありがとうございます!」
俺は礼を言った。
それから『
今は+10000だから、さらに10000加えて、+20000になった。
「付与魔術に関しては、すぐに解明できる話でもないし……まずは遺跡に行こう、マルチナ」
「そうだね。じゃあ、みんなで出発しましょ」
俺たちは『光翼の遺跡』へと向かった。
そこは以前にリリィが踏破した遺跡で、彼女の剣『
「そういえば、マルチナさんが竜族と戦ったときに、剣で魔法を吸収してましたよね?」
道中、馬車内でリリィがたずねる。
「あたしの剣でも同じことができるんですか?」
「いえ、これはあたしの『
答えるマルチナ。
ちなみにリリィの剣も出発前にアルベルトさんに鑑定してもらっている。
剣の効果についても調べてもらったんだけど、いちおうリリィ自身で確認したかったんだろう。
「そういえば――」
ふと気づく。
「リリィは『光翼の遺跡』を一度クリアしてるんだよな? じゃあ、安全ルートはもう確保できてるようなものじゃないか?」
「いえ、あたしが通ったのはあくまでも『
リリィが説明した。
「封印装置というのは目にしませんでした。たぶん、まったく違う場所にあるんじゃないかと……」
「なるほど。じゃあ、そのときとは違う道を通っていくわけか」
「そうなると思います」
うなずくリリィ。
「遺跡の中で出会ったモンスターはかなり手ごわいのもいました。気を引き締めて行った方がいいかと」
「分かった」
「あ、でもレイン様なら楽勝だと思います。ふふ」
と、リリィの表情が緩む。
「……もしかしてリリィってレインくんのこと」
「えっ!? や、やだな、あたしはそんな……えっと、その……ちらっ、ちらっ」
マルチナの指摘に、リリィは顔を赤らめた。
なぜか俺をチラチラ見ているんだが……?
――なんてやり取りをしつつ、一時間ほどして俺たちは『光翼の遺跡』にたどり着いた。
さあ、探索の時間だ。
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