10 チート付与魔術、新領域
「侵入者どもめ。勇者エルヴァインの剣は我のものだ。誰にも渡さん……!」
上級ドラゴンが吠えた。
「どうしても欲しくば、力で奪ってみせよ」
「力ずくがお望みなら、そうさせてもらう」
俺は剣を手に歩み寄る。
今持っている剣は、強化ポイントのほとんどをつぎ込んだ対上級ドラゴン用の剣──『+8700』を付与した鋼の剣だ。
これだけでも上級ドラゴンを倒せる可能性は十分にある。
以前に中級ドラゴンと戦ったときは、『+10000』の銅の剣で瞬殺だったからな。
ただ、相手はそれより格上の上級ドラゴンである。
「念のため──確実な手段を取らせてもらう。今俺ができる最強の攻撃手段で」
「ほう? やってみるがいい」
「リリィ、君のスキルを借りるぞ」
俺は彼女に微笑んだ。
「えっ」
驚いたようなリリィにうなずき、
「付与魔術、第二術式起動──」
呪言を唱える。
そして、念じる。
『リリィ・フラムベルの剣術スキル『斬竜閃』を
『強化ポイント「+3000」を消費し、スキルを強化したうえで、術者レイン・ガーランドに付与する』
「3000か……けっこう消費するんだな」
さっきベフィモスを倒して得た強化ポイントがほとんどなくなってしまった。
「だけど、おかげで一時的に扱える。S級冒険者と同じ剣術スキルを──」
剣を、構える。
そう、付与魔術第二の術式は、俺が一度でも見たことがあるスキルをコピーし、一時的に俺自身に付与できる。
その際、スキルに応じて強化ポイントを消費することになるが……。
代わりに、俺が素の状態では絶対に会得できないような超強力スキルだって使用可能になるわけだ。
しかも、そのスキルは本来よりも数段強化されたスキルに変化する。
いくぞ、これが『+8700』で強化された鋼の剣とS級冒険者の剣術スキルをさらに強化したスキルによる超絶の斬撃──。
「『
放った斬撃は、虹色の衝撃波となって上級ドラゴンを切り裂いた。
なおも衝撃波は竜のような形になってまとわりつき、上級ドラゴンの巨体を消滅させていく。
すべてを切り裂き、すべてを消し去る──最強の斬撃スキルだ。
代償に、今使った剣は跡形もなく消滅していた。
「ば、馬鹿な……お前の力は人間に許された領域を……こ、超えている……神や魔王の領域に……ぐうっ……」
うめいて、上級ドラゴンは倒れ、消え去った。
周囲にはまだエネルギー流が渦巻いている。
「神や魔王の領域……?」
さすがにそれは大げさすぎないか?
以前のギルドでずっと付与魔術を使い続けてきたせいで、俺の力はかなりレベルアップしているみたいだけど──。
そして。
「これが──『
上級ドラゴンを倒した俺たちは、その後は特に苦労することなく最深部に到着。
宝物庫に安置されていた剣を手に取った。
伝説級の剣、『
これなら強化ポイントをもっとつぎ込んでも実戦に耐えられるかもしれない。
それはつまり、俺が武器の耐久力を気にせず、力のすべてを発揮できるということだ。
上級ドラゴンどころか、それ以上の敵さえも打ち倒し、あらゆる討伐クエストを達成する──そんなことさえ、できるかもしれない。
その力で何を為していくかは──これからゆっくり考えよう。
***
『いじめられっ子の俺が【殺人チート】で気に入らない奴らを次々に殺していく話。』
https://kakuyomu.jp/works/16817139556336546394
『無能扱いで実家から追放された俺、実は最強竜王の後継者だった。竜の王子として、あらゆる敵に無双し、便利な竜魔法で辺境の村を快適な楽園に作り変えて楽しいスローライフを送る。』
https://kakuyomu.jp/works/16817330662240489582
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