エピローグ

 台風一過と言わんばかりに翌日は雲一つ無い晴れ空が広がっていた。

「志緒理、おはよう!」

「おはよう、結花。……ちょっと、腕にしがみつかない。誰かに見られたらどうするの?」

「見られて困るの? それとも嫌なの?」

「……もう」

 嫌なわけがないでしょ。

 私の腕に小さな女の子がしがみ付いている。教室に着く頃には新しい噂話が広まっているだろう。彼女との噂なら、どんなものでも構わない。どうせ尾鰭のついた噂しか無いのだ。真実は私たちだけが知っている。それでいい。

 こうして私の殺意と四四八〇円は愛として昇華され、その愛も実ることとなったのだ。

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四四八〇円 なつき @natsuki_kaku

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