第三十狐 そして王都へ、新たなはじまり

 3日目に突入した馬車の旅。予定では、半日ほど早まって昼過ぎには、着くだろうということだ。それで今、アリサから王都について聞いている。


「王都はユースタシア王国の中央で、600年の歴史があるの。依頼が優先だけど、もし気になったら王都内を探索するといいと思うわ」


 アリサさんいわく、他にも前世の葉山日香のときの世界のような学校があったりするらしい。でも、大体の生徒が貴族だとか。まあ、私には関係ないかな。魔法のレベルが高いし、前世でも学校に通っていたから知識もあるので、行ったって対して意味なんてないと思うからね。


「アリサさんの説明のおかげで大体のことが分かりましたありがとうございます」


 私は、ギルドからの指定依頼を達成するために王都へきたわけだが、他にもやりたいこともできるかもしれないという高揚感と面倒事に巻き込まれないかと思う不安感に頭は圧迫されるのだった。



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「次の馬車、検問するぞ」


 十数分後王都の城壁の問で私達は検問を受けている。異世界であるあるな入国審査みたいなものだと思う。

検問中、王都の騎士は、私を不思議そうな目で見ていた。その時、初めてリフレシアの街にきたときのことを思い出した。とっさに手で耳を塞いで隠していた。私はあまり物事を気にしない方だったが、こんなに恥ずかしいと思ったことはあったのだろうか。私は胸の中にある私ではない心の声について考えることをやめ、目立たないように前にバイソンから貰ったマントを羽織るようにした。


「おぉぉ〜〜」


 王都に入って開口はじめに感想の一声。街並みは、リフレシアよりも賑やかで、多種多様な人達がいた。これまでヘルズさんやエリーナさんみたいな‘‘人’’しか見てきていなかったので、もしかしたら今の私みたいな別の種族がいないかと期待してしまう。そんなことを考えてながら、王都の冒険者ギルドに向かうのだった。

冒険者ギルドの中でも、私の姿はやはり目立つらしく、他の人の視線で釘付けにされている。


「指定依頼があるため、王都に来ました。Bランクのレナ・グライシスです」


「分かりました。応接室に案内するのでそこで、お待ち下さい」


 私はギルド作業員に連れられ、応接室に案内されていく。


「頑張ってこいよ!」


 ヘルズ達が勢いよく、応援の声をかけてくれた。それに私は、振り返って笑顔で返した。


「うん! 行ってきます!」


 この先の依頼がこれからの‘‘私達’’を変えるとはこの当時思いもしなかった。


―――――――――――――――――

あとがき14

すいません。突然ですが日常生活の方で用事があるので来週は投稿できないです。いつも読んでくださる皆様に申し訳ありません。

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