第二十五狐 ギルドの裏
私の名前は、エリーナ・レンイユ。リフレシアの冒険者ギルドで受付嬢をやっています。受付嬢を始めて4年目、最近になって気になった新人冒険者がいます。彼女の名前はレナ・グライシス。ヘルズさんに聞いた通りだと、人体実験でレナちゃんの身体は人間から獣人になったのだとか。見た目はおおよそ16歳ぐらいの黒髪の女の子で、耳と尻尾を見た感じだと、狐の獣人だった。そんな可愛い子ですが、冒険者試験でとんでもない力がありました。元とはいえ、Aランク冒険者のガロンさん相手に勝ちますし、前にはゴブリン討伐の依頼で耳を100個くらい持ってきて、その後はフォレストウルフの牙を沢山持ってきて、あっという間にEランクに駆け上がりました。それで先日、またしてもとんでもないことをレナちゃんはしました。それは……、
「ほう、Sランク2人に対して互角以上の戦いをした少女か……」
そう、このギルドマスターの言ったように、昼過ぎから始めた決闘でSランクであるアルビス・グラエナさんとアルノス・ビーツさんの2人同時に戦って、互角以上の戦いをした上に2人に本気を出させて、炎業のアルノス・ビーツさんを倒したわけなので、ギルド内では今、彼女の話でもちきりです。それで今は、レナちゃんのことについて王都と連絡して今後どうするかを話し合っているようで、私はレナちゃんを一番見てきたということで参考人としてここ、王都の王宮にいます。
「どうしたもんか……。急遽Sランクに格上げするか?」
「いや、それだと他の冒険者に反感をくらい、レナ殿に被害が被る」
「ならどうすれば……」
議論があれやこれやと意見が飛び交うなか、ユースタシア国王がとんでもない爆弾発言をかました。
「リフレシアのギルドマスターよ。そして、ユースタシア王国の貴族よ。聞け、その少女、レナ・グライシスのことだが、4年前にグライシス家で行方不明になったご令嬢であることが分かった」
……え? レナちゃんが……貴族?
○○○○○○○○○○○○○○○○○
レナ視点
「へっくちっ!」
「レナちゃん大丈夫?」
この事実は転生前の記憶を持たないレナには知らないことであった。
―――――――――――――――――
あとがき10
ガロン
元Aランクの冒険者。現役冒険者時代は、斧を片手に魔物を真っ二つに割り、地面に穴を開ける力を持って走り回るその姿から『壊走』のガロンと呼ばれていた。現在はギルド職員として活動しているが、彼の持つ怖すぎる顔が理由に、ギルドマスターから受付も接待もさせてくれないらしい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます