第二十二狐 限界を超えて(前編)
昼ご飯を食べた後、なくなくギルドの闘技場にやってきた。服は冒険者用に切り替えています。闘技場では、観客と思われる冒険者や一般市民があふれるぐらいにいた。誰だよ、広めたのは……。
「来たな……」
大柄な男が呟く。装備は見た感じ、大柄な方が重戦士、そうでない方が、魔術師だろう。
「これより、決闘を行う。ルールは単純。戦闘不能になった者はリタイアとみなす。また、アイテムの使用は不可となっている。それでは初め!」
開始の合図で大柄な男が突っ込んで来る。その速さは前に戦ったガロンよりも速く、大剣の一振りは鋭かった。
「ッ?!」
大剣を避けた先に巨大な火の玉が向かって来る。
「氷河【那羅無冷】」
ギリギリのところで剣技を用いて、火の玉を氷漬けにして砕き散る。危ないな……。けっこう面倒な2人だ……。
「おらぁ! 【魔撃】!」
「【ライトエンチャント】」
「【アイスウォール】【アイスミスト】」
エンチャントされたことによって光り輝く大剣からの魔力を纏った一撃。それを氷の壁で抑え、氷の霧によって剣に纏う魔力を抑える。
「ぐっ!」
威力を落としたものの、氷の壁は突破され、私は壁に吹き飛ばされる。かなりの痛みであるが、戦いを続行できない訳ではない。
「合技【氷河炎帝】」
発生した氷河は、一瞬にして炎帝によって溶かされる。だが、溶けて出来た水が炎帝の熱に触れ、小規模の爆発が起きる。いわゆる水蒸気爆発というものだ。一つの大技が当たったと思ったが、爆発による煙は大柄な男の大剣によって振り払われる。
「おうおう! おめぇ強いじゃねえか!」
「ほんとですよ。二つの属性を合わせた魔法を使うなんて……。結界がなかったら危うかったです。ですが今度はこちらの番です」
男2人は武器を構える。重戦士は大剣に魔力を、魔術師は魔力で詠唱を。それに対し、私は黎桜を構えながら、イメージを思い浮かべる。イメージは、氷の世界。思うがままに動く氷。そのイメージはやがて魔法となる。
「氷雪【氷結世界】」
私の足元の地面から凍りついていく。冷えた空間の中、氷の結晶が集まり、やがて剣の形となる。氷の刃は6つ出来上がり、私の周囲を浮いている。
「「ッ!? 【破壊の一撃】!」 【ジャチメント】!」
その光景に2人は少々驚いたが怖じけずに立ち向かう。しかし、2人の攻撃はどこからともなく現れた氷の壁に塞がれる。壊しても壊しても、新しい壁が出てきて全ての攻撃を防ぐ。
「「はぁ……はぁ……」」
大技を使った2人に疲れが見えた。2人はまだやる気であるが、限界に近いだろう。なら、私のやることそれは……。
「さぁ、反撃の時間だ。」
―――――――――――――――――
あとがき7
バイソン
『酒坏の心』の守りの要。その大柄な身体の強面のおじさんの見た目とは裏腹にとても優しい重戦士。その手に持つ大剣と大盾は仲間から見知らぬ人を助ける為に使って来た。その姿に、多くの少年少女が憧れているようで、レナもその一人である。
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