第十九狐 ユリウスの加護と祝福

 夜中の森の樹海にて、私は古い神殿を見つけた。神殿は、誰も立ち寄らなそうな場所にあるというのに、綺麗さが保たれている。私は手持ちの食料である干し肉を一つ噛り、神殿の中へと潜り込んでいった。中は夜中であることも相まって、薄暗いを通り越してめっちゃ暗い。でも、私には不思議と安心感があった。


〔人の子よ……〕


「誰?!」


 どこからか分からない声、後ろを見ても私の通った入口しかない。


〔そう警戒するな……、人の子よ……。私はユリウス。この世界の神だ……〕


 ユリウス。私はその言葉に既視感があった。


〔私の加護を持つものは、数少ない。その少ない中の一人であるそなたを祝福しよう〕


 そうか、加護だ。私のステータスのスキルに、ユリウスの加護があった。そう私が納得していると、神であるユリウスは話を続ける。


〔そなたは奇妙な存在だ。そなたの中に3つの魂がある。表に出ているのは、そなただけであるが……〕


 私の身体の中に3つの魂? 私にわかるのは、私自身と私が転生する前のこの身体の持ち主ぐらいしか分からない。なら、あと1つは誰なのだろうか。


〔その1つ。聖なる力であるが、今は汚れている。だが、いつかは輝きを取り戻し、そなたの助けとなるであろう〕


 聞けば聞くほど分からなくなる。ただ、分かることは残り1つの魂は、凄い力があるけど、今はこの力が使えないということ。


「ユリウス様、私のことについて、教えて頂きありがとうございます」


〔そうか……。そなたのこれからを私は楽しみにしよう。それではな……〕


 神殿内の神々しさが薄れる。今回のことで、私のこの身体について分かったのかもしれない。そのことについては走り続けて良かったと思う。外に出る。空は満天の星の夜空。こんな空は日本でもうなかなか見れないと思う。


「綺麗だなぁ」


 独り言を呟く。私は最近使えることを知った空間属性魔法の『次元収納』で寝袋を出す。


「異世界でもやっていけそうだなぁ」


 夜空の空にまたしても私は、独り言を呟いた。



―――――――――――――――――

あとがき4

ヘルズ

Aランクパーティー『酒坏の心』のリーダー。武器は片手剣を使っており、確かな実力がある。レナから見たら、姿は金髪のそれなりイケメンである。なお、女性からの人気が高い。いざというときに頼りになる正義感強い人

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