第十六狐 同業者

 数分後、4人は正常の状態になり、私にお礼と問いかけをしていた。


「助けて頂きありがとうございます」


「構いませんよ。困ったときは助け合いと言いますし」


「つかぬことをお聞きしますが、貴女の名前を教えて頂きませんか?」


「私? 私の名前はレナ・グライシス。Gランク冒険者だよ」


「「「「Gランク?!」」」」


 4人が驚きを隠さず、声を荒らげる。


「うっ、嘘だろ?」


「そっ、そうです! ゴブリン数体ならGランクの人でも対処できます。ですが先程のゴブリンの数は多分100を超えます。その数を相手するには、最低でもCランクパーティー並じゃないと……」


「それに、最初の魔法の威力は王国の宮廷魔術師かSランク冒険者の人ぐらいしか出せません!」


「レナちゃんはどっかおかしい」


 散々言われる始末だ。一体私が何をしたと言うんだ。やったとしても、ゴブリンの殲滅だぞ? 手っ取り早く助ける為に、最初から最大火力の氷属性魔法を放っただけなのだが? 私は最善の行動をとっただけだ。私は試行錯誤を繰り返していた。


「まぁ、何はともあれ助かった。ありがとう。俺はガイこのパーティーのリーダーをしている。そんでこっちのチビが……」


「誰がチビだ。あっ、私はサラサだよ」


「僕はラミだよ」


「私はアミだよ」


 よく見ると、ガイ以外女の子じゃん。これがいわゆるハーレムパーティーと言うやつか。まぁ、どうでもいいか。私達は軽い挨拶を済ますと、私が倒した大量のゴブリンの左耳を回収する。袋が入らなくなるまで詰めて、また新しい袋を出す。同じ工程を繰り返していくうちに、夕日が落ちかけているときに全てを詰め終わった。


「ごめんね。手伝ってもらっちゃって」


「いいんです。レナちゃんは私達の命の恩人なのですから」


「にしてもいいのか? 俺達がこんなに貰っちまって」


「いいのいいの。そちらだって、このままだと収入ゼロでしょ?」


 私はゴブリンの左耳が入った袋をガイに押し付ける形で渡す。ここで会ったのも何かの縁だからね。


「レナ。いやレナさん。ありがとうございます!」


 私達は、大量の袋を抱えてリフレシアの冒険者ギルドに戻るのだった。

 その日の夜。冒険者ギルドでは大量のゴブリンの耳の処理で騒がしかったとか、どうだとか……。

 まあ、お金が沢山溜まったからいっか。



―――――――――――――――――

あとがき

 こんにちは、この作品を読んで頂き、ありがとうございます。次回からしばらく、あとがきで登場人物のことについて軽く説明を入れて行きます。これからも獣化転生をお楽しみ下さい

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