第十四狐 心機一転
またしても、連行された私は、女性向けの店に来ていた。それで現在はと言うと……、
「えぇ!? めっちゃ、可愛くない?」
「レナ〜。次はこれ着て欲しいのだ〜」
そう。現在、アリサのレーナの着せ替え人形にされています。原因としては、普段の服装は研究所で目を覚ましたときから付けてる色褪せた布の上にバイソンから貰ったフード付きマントしかない。しかも、足は裸足で来た。その姿に見かねた二人はそれぞれのお金の持ち合わせから、冒険者用の服とそれ以外での私服を見繕うことになった。それで、現在、着せ替え人形状態になっている。でもほとんどの服は大きな尻尾のせいで上手く着れない。獣人というのは不便だなと改めて思う。
「お〜い。そろそろ決まったか〜」
外からヘルズの呼ぶ声。その声を聞き取った二人は、残念そうにしながら、会計を済ませる。ちなみに冒険者として使う服は、私の要望で刀に合わせて和のイメージを入れるため、黒い装束を買って貰った。うん、髪も服も耳も武器も黒。全身真っ黒だね。
「終わったよ〜」
二人は先に外へ出て、私は先程買って貰った装束を着てから外に出ていた。
「レナ、よく似合うな」
「ありがとう。バイソン」
尻尾が揺れる。私は、褒められて嬉しかったのだ。それに、今の服装が気に入ったのもある。この世界に来てからのまともな服装が着れたのだから、私は大いに喜んでいた。
「これからも頑張れよな」
「はい! ありがとうございました!」
ヘルズ達と別れる。行き先は冒険者ギルド。理由は手持ちのお金が少ないからなのと、先程買って貰った『黎桜』の試し斬りをするためである。
歩いて5分。私は冒険者ギルドについた私は、午前に受けたものと同じゴブリン討伐の依頼を受けるため、カウンターにいるエリーナさんのところへ向かう。
「レナさん、その装備は……」
エリーナさんも私の装備が変わったことに触れてきた。
「先程、ヘルズさん達が初依頼達成祝いとして買って貰ったんです」
私はにこやかな笑顔で言葉を返す。
「それは良かったですね。でも新しい装備だからって、浮かれないで下さいね。小さなことで命を落とすことなんてザラですから」
「忠告ありがとうございます」
エリーナさんは、私と話している間に依頼の承認をしてくれていた。
「それでは行ってきます!」
私は、準備ができると南の森へと歩を進めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます