第十二狐 小動物の連行
リフレシアの冒険者ギルドに戻った私は、カウンターで討伐証拠を提出して、依頼報酬を受け取っていた。
「討伐証拠のゴブリンの左耳を確認しました。こちら報酬の銀貨6枚と銅貨7枚です」
初めての報酬を手に取る。
「ありがとうございます」
私はエリーナさんにお礼を言う。エリーナさんは私を見て、まるで小動物を見る目で見ていた。なぜだろうと思いあたりをキョロキョロと見回す。すると左右に私の尻尾が揺れていた。私は恥ずかしげな顔をして、冒険者ギルドの外へと早歩きで出ていった。
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露天で銅貨二枚で買ったパンを頬張りながら街を散策していること数分。
「今朝振りだな、レナ」
私は大通りでヘルズ達と会った。ヘルズ達は今日は休みなのかラフな格好をしていた。
「依頼終わりか?」
「うん、ゴブリン討伐の依頼達成してきたところ」
バイソンの質問に答える。すると……、
「えっ!? まさか、魔法だけで討伐したの?」
「いや、ゴブリンから剣奪いとって、戦った」
「どっちにしろそれは、危ないからやらない! いいね!」
アリサに釘を刺される。でもしょうが無いじゃん? だってお金ないから武器買えないし。そう思っているとレーナは、私が武器を持ってない理由に気付いた。
「アリサ。アリサ、レナはお金があいから、武器持ってないとレーナは思うな」
「ふむ……。なら、レナの武器を買うか。初依頼達成記念ということで。」
「そうね、そのほうが良さそうだわ」
話が、勝手に進んで行く。流石にずっと援助してもらうのも悪いので断ろうとしたときには、私は武器屋に連行されていた。
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連行されて数分。私は武器屋に着いてしまった。ヘルズは私を引っ張りながら、扉を開ける。というかこの人なんでこんな力があるの?
「すまん、メルス。こいつに武器を見繕いたいんだが、いいか?」
武器屋の鍛冶師といったら、男のイメージであるが、メルスと呼ばれ店の裏側から出てきたのは、筋肉質な女性であった。
「またか……」
メルスは、ヘルズに呆れていたようだ。
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