第六狐 冒険者の街 リフレシア
羞恥心が落ち着いた後、私は今『リフレシア』という街を酒坏の心のみんなに案内してもらっている。街は、一見西洋ヨーロッパみたいな建物が佇んでいて、ヘルズ達みたいな格好をした人が多い。にしても……、周りの人が私を物珍しそうに見てくる。正直に言って、この姿は目立つであろう。
「レナが目立つな……。レナ、これをやる」
そう言うとバイソンは、どこからか少しボロい黒いフード付きのマントを出して、私に被せた。
「ありがとう……」
私はバイソンにお礼を言う。ボロいとはいえ、かすかに目線の数が減ったような気がしてホッとした気分になった。
「レナ、依頼の報酬を受け取りの行きたいから、冒険者ギルドに立ち寄っていいか?」
冒険者ギルド。その単語に目を光らせた。なんせ異世界と言ったらここ! と言えるほどであるから。
「良いよ」
私は二つ返事で承諾した。ギルドに行くのが楽しみなのか、私の尻尾が左右に振っていた。
「ありがとう。じゃあ冒険者ギルドに行こう」
✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼
数分後、私達は冒険者ギルドについた。
「ついたぞ。ここがリフレシアの冒険者ギルドだ」
建物は木造で、年季を感じるものだった。ヘルズ達は私を連れて受付のカウンターへ向かう。
「すまない。依頼達成をしたのだが」
「はい。酒坏の心ですね。確かに警備員から犯人を引き渡されたことを確認していますので依頼達成で、報酬の金貨3枚と大銀貨60枚です」
「確かに貰った」
「それで……。そのフードを被った子は……」
そう言って、受付嬢と思われる彼女が視線を私に向ける。ヘルズがその質問に答える。
「この子は依頼の研究所で行われていた人体実験で獣人になってしまった被害者だ」
「そうですか……」
受付嬢らしき人は可哀想にと目を向けてくる。
「こちらで保護してあげたいけれど、どこの施設も満員なの……。ごめんなさい」
「なら、冒険者になります!」
「「え?」」
二人はキョトンとした顔で私を見つめた。
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