6日目

 私は病室にいた。目の前のベッドで寝ているのは鴨田だった。

 頭は包帯で巻かれており、腕や足も包帯で巻かれていた。顔は青痣が出来ており、殴られたらしかった。

 「あ、リーダーおはようございます。どうしたんですか?」

 いつもの戯けた態度を見せているが、その姿は痛々しかった。

 「ふざけるな。お前こそどうしたんだ。会社に行ったら、昨晩お前が暴行されたって細田が言ってたぞ。大丈夫なのか?」

 軽口を叩いてる鴨田だが、いつもより声に張りはなかった。

 「みたいですね。俺、飲んでも記憶なくなったり迷惑かける事はないんすよ」

 「ただ……」頭に巻かれた包帯を触りながら鴨田が傷口を確認するように言った。

 「昨日は少しテンション上がっただけなんですよね」

 鴨田は後悔しているような口調で話している。

 「あの後、解散したじゃないですか。家まであと50メートルくらいかな?その時に2人かな?3人だったと思います。いきなり後ろからやられましたね」

 「お前が喧嘩ふっかけたんじゃないのか?喧嘩には自信があったんだろ?」

 「いや、リーダー待ってくださいよ」いつもの快活に笑いながらツッコミを入れる鴨田ではなく、空笑いで返すだけだった。

 「俺もそれなりに喧嘩は自信あるんすよ。ただ、あいつら素人じゃないと思いますよ。」

 確かに鴨田は、学生時代は相当なワルで、喧嘩の武勇伝は酒の席でたくさん聞いてきた。1対複数人の喧嘩もあればヤクザと喧嘩した事もあると言っていた。その証拠という言っていいのか、彼の掌は傷の跡がとても目立つのを真横の席で見だことがある。

 「どう言う事だ?」

 「酔ってるからやられちまったのかなとか思ったんですけど、動きが違うんですよ。俺はじめて怖いなって思いました。反撃なんて無理ですよ、全くダメでした」

 「動きってなんだよ」

 「素人の動きじゃないんですよ」

 「お前も喧嘩の素人だろう」話を遮り鴨田は続ける。「暗くてぼんやりとしか見えなかったけど、体もデカかったす。あと…何か言ってました」

 「そいつらがか?」

 「これ以上詮索するな、とか言ってたかな?殴られながらずっとそれだけ言われてました」

 「どういう事だよ」

 ただの喧嘩に巻き込まれただけかと思ったが、喧嘩で負ける程の男ではないとわかっていたが、何かが起こっている事が確信出来た。鴨田は気怠そうな声で昨日怒った出来事を教えてくれた。「ちょっと寝ていいすか」と鴨田が言ったので、私はそのまま病室を後にした。するとスマホにメールの受信音が鳴った。


 [お疲れ様です。今チーム宛にこんなメールが来たんですけど、転送します。あと、鴨田は大丈夫でしたか?酔っ払って喧嘩でもしたのでしょうか]

 井川は鴨田の事が苦手の様だが、こういうところは大人だなと思った。感心しながらメールに添付されている、画像ファイルを確認した。

 「なんだよ、これ……」


【これ以上、詮索するな】


 画像の文言は確かに、鴨田が昨日襲撃された時に、伝えられた文言そのまま同じであった。




 会社に戻り、細田に状況を説明して、井川にも説明をした。

 坂枝チームのデスク周りは井川しか座っていないという寂しい状態だった。

 「大事に至らなくて良かったです。でも、どういう事ですか」井川が気になるのはあのメールの画像に書かれていた文言だろう。昨日鴨田に起こった出来事を私は井川に共有した。


 鴨田は私たちと別れた後、そのまま駅へと向かった。昨日は飲むというより、黛伸太郎の事や掲示板の事の話し合いを重点的に行った。

 鴨田は最初は酔っていたが、帰り掛けは酔いも覚めていたのを私は覚えている。鴨田の話だと当時の状況はこうだ。

 駅に向かって歩いている時に、後ろからいきなり頭を殴られて、近くの公園に無理矢理連れて行かれたらしい。

 3人組だったらしく、男なのか、女なのかもわからなかったようだ。

 その中でも「どこまで知っている?」や「詮索するな」と声色が低い声と高い声などの複数の声から男女で襲撃してきたが、鴨田は性別を認識出来なかったらしい。頭を殴られて後はされるがままだった。

 鴨田は喧嘩慣れしていたが、全く隙がなくいいように殴る蹴るの連続だったらしい。気を失って気づいた時には病院のベッドの上だった。警察からの事情聴取も受けたが、酔っ払いの喧嘩に巻き込まれた。という形で話は進んでいるらしい。


 「鴨田の奴、大丈夫なんですかね。酔っ払いの喧嘩って警察は言ったんですか?」

 井川は納得がいかないらしく、目を大きく開いて私に質問した。

 「あぁ。あいつから喧嘩する事なんてないはずだ。それに帰り掛けは酔いも覚めてたし、自分から絡みに行く事なんてないよ」短い間でしか鴨田を知らないが、あいつがそんなつまらない男とは思えなかった。

 「ですよね。それに詮索するなって、このメールと同じじゃないですか」

 「…もしかして、掲示板の事……だよな」

 「掲示板の事を詮索するなって事ですか?それとも黛伸太郎の事ですかね?」

 細田がこちらをチラチラ見ていた。仕事しろよと目で訴えかけてくるのを私と井川は察知した。

 「まぁ、鴨田も災難だな!とりあえず案件終わらせようか」私は細田に聞こえるように、少し大きな声で井川に伝えた。

 [おれが内海に連絡を取ってみるよ]

 社内のチャットツールで井川にメッセージを送った。恐らく話し込むよりこちらの方が怪しまれずにスムーズにいくからだ。

 [坂枝さんいきなり話終わらせるからびっくりしましたよ!!]メッセージだと井川は砕けた感じになるので、そこが彼の面白いところだった。

 [ですよね!内海さん何か知っているので確認したいですね……]

 [黛伸太郎の事も気になるね。井川君でもうまく調べる事って出来るかな?]

 [もう一度、システムワークスに確認してみます!!あと別のやり方で調べてみます。]

 井川のキー音が早くなる。

 [自分の仕事が中途半端なの嫌なんですよね。。鴨田の仇も取ります!]

 快活な文面が井川ではない別の誰かと連絡しているのか?と錯覚するくらい不安に思えた。

 その日は社内のチャットツールを使い、井川と作戦を立てた。井川に黛伸太郎の事を調べてもらい、私は坂枝チームの業務を一手に引き受けた。黛伸太郎にもう一度会えば何かがわかるかもしれない。井川に調べてもらう事で接触できないかと考えた。


 4人分の業務を1人で行うのはしんどかった。

 なんとか片付ける事ができたが、夜の22時を過ぎていた。

 「坂枝さん、システムワークスに確認しましたが、黛の事はわからないって言われてしまいました。」

 黛伸太郎とコンタクトが取れれば何かがわかると思ったが、それは難しかった。

 オフィスには私と井川しか残っていなかった。流石にこの時間まで残る事は殆どない。細田もいないので堂々と作戦会議が出来る。

 「あ、鴨田から連絡来たんですよ」

 「やる事ないもんな。あいつ」

 「黛伸太郎の事わかったって言ってます」

 「え?」

 鴨田、やるな。私は驚いたが井川もあっさり私に伝えるのでそれはそれで寂しかった。

 「僕がどんだけ調べてもわからなかったのに……黛の出没場所がわかったみたいです」そう言いながら私に自分のスマホを見せながら、これです、と言いながら私に見せてきた。


 「俺もやられっぱなしは悔しいからな、黛って奴に治療費は請求させてやりたいと思って調べたぜ。お前はネットだけで調べようとしてるみたいだけど、今はリンクの方が情報はゴロゴロ転がってるぜ。とりあえず黛のよく行く場所のURLを貼っておくからリーダーに教えておけよ!俺は寝てるから頼むぜ。」


 


 「あいつ、リンクを使って調べたのか」盲点だった。確かにネットの書き込みは最近は少なくなっているのを、どこかの調査会社が調べて発表していた。リンクのユーザー数は圧倒的で確かに、そこなら情報は出てきそうだ。

 「隣町の図書館みたいですね」

 場所はわかったが、ここでずっと待ち伏せするのはサラリーマンの私達には無理な話だった。

 「どの時間帯に来るんだろう。それに嘘情報かもしれないよね……。」

 「あ、また鴨田からメッセージ来ました。」

 井川は鴨田からのメッセージを読み上げた。「情報は多分確実だと思う。そして俺は明日から退院だから、傷病休暇を理由にここで読書を楽しむよ」まるで私達の話を聞いているように絶妙なタイミングだった。なんか気持ち悪い奴だ。

 「あいつに任せてみようか?しかし、病み上がりで大丈夫かな……」

 謎の組織に暴行にあって直ぐに行動に起こせる所はタダでは転ばないのが鴨田らしかった。

 「少し頼りにならないですけど、そうですね。図書館の監視カメラにハッキング出来るかやってみますかね……」しれっととんでもない事を言っていないか?

 「井川くん?」

 「冗談ですよ。坂枝さん冗談ですって。」笑いながら言っているが目は笑っていなかった。彼の技術なら出来そうで怖かった。

 私達が会社を出たのは結局23時を過ぎた頃だった。

 最近、仕事というより掲示板事件の方で多く時間を割いている気がする。鴨田の暴行事件、内海のあの態度、何より黛伸太郎はどこへ行ってしまったのか……。考え出したらキリがなかった。

 電車を乗り継ぎ、最寄りの駅で下車をして、家に向かっていた。終電間際という事もあり、飲み会帰りであろう、男女がヘラヘラと笑いながら駅前で談笑していた。その横をくたびれたサラリーマンが横切っているのを見て何か悲しい気持ちになった。

 恐らくそのサラリーマンの中にも自分も含まれているのだと思うと尚更だ。

 違和感はすぐに理解できた。

 誰かに付けられている?

 駅前の通りを抜けて人通りの少ない住宅街を歩いているが、時間は深夜0時を越えていた。この時間ともなれば住宅街の静けさは不気味すら感じた。

 私は歩幅を大きくして歩く速度を早めた。チラリと後ろを確認する。勿論ハッキリとは見ない。

 2人か、革靴の音が交互に聞こえていた。鴨田の件もあり恐怖を感じていたが、どうしようも出来ない。

 角を曲がり家が少ない空き地の通りにあえて進んだ。この道を通るのは、よっぽどの目的がなければ通るはずがない。

 2人組の追跡者達はしっかりと後をつけてくる。ここで完全に後を付けて来ているのがわかる。

 「マジかよ……。」思わず声に出してしまう。

 同時に私は全速力で走った。こんな所で鴨田のような被害には遭いたくない。空き地の中を通り抜け、大通りに向かった。せめて人が多いところなら誰かが助けてくれる。そう信じるしかなかった。

 私が走ると追跡者達も慌てて走って来るのがわかった。均一だった革靴の音が明らかに慌ただしくこちらに向かって来る。民家の庭も通り抜け私は走った。不法侵入だが、侵入した家屋には明かりは灯っていなかった。

 走り抜けて駅前の大通りになんとか出ることが出来たが、駅前では先程の若者達が騒ぎ、歌っていた。

 追跡者達の気配は感じない。どうやら逃げ切ったらしい。


 恐らく掲示板事件は本当に触れてはいけない事なのかもしれない。

 私は自宅に戻るのを恐れ、駅前のネットカフェで、一泊する事にした。

 

 ネットカフェは系列店らしく、シャワールームもあったのでありがたかった。店内にはほとんど人はいないようで、店内のBGMが寂しそうに流れていた。

 私は、受付から一番近い個室を選び、荷物をおろした。

 今日は朝からいろいろありすぎた。掲示板事件に始まり、黛慎太郎の失踪、鴨田の襲撃事件。掲示板の削除業務も担当を外されたので気が楽になったが、先程跡を付けられた事により、まだこの事件は終わらないのだと考えていた。

 内海の態度の変化も明らかに違っていた。私と内海とでシステムワークスを訪問してから黛慎太郎も姿を消してしまった。

 シャワーを浴びて、ビールを買い、自分の部屋に戻った。

 何かしなくては、掲示板事件の事を考えてしまうので、リンクにアクセスすることにした。

 普段はリンクにアクセスすることは無かった。中高生達の流行りだろうと思い敬遠していたが、尾行されたという恐怖を紛らわしたかった事もあり配信部屋に行く事にした。


 リンク内ではそれぞれユーザーは、アバターを作成してアバター同士でやり取りを行う。リンクというサービスでは、人々のライフイベント毎のサービスが提供されており、全ての行政手続きもリンク内で完結する事ができる。

 最近では、リンクのアバター同士で結婚式を行うことも出来、実際に夫婦としても認められるようにもなった。日本の人口ほとんどがリンクにてアバターを使い、何かしらのサービスを利用しているという発表も本社からあった。その影響力は凄まじかった。リンクのサービス開始時は掲示板を使ったユーザー同士のの交流しかなく、既存の某大型掲示板に知名度では圧倒的に負けていた程だ。

 しかし、じわじわとユーザー数が右肩上がりで増加していき、某掲示板とのシェアは逆転することになる。


 私は配信部屋に進んだ。配信とは、アバターが配信部屋の主となり、視聴者相手に雑談をしたり、歌を歌ったりと活動の場を持てるのだ。一昔前に流行った動画投稿サイトに似ていた。

「また、白夜か……。そんなに面白いのか?」思わず呟いてしまう。

 白夜。リンクのマスコットキャラクターともいえる存在で、もちろんアバターではあるが、中の人はリンクを利用している一般人らしかった。

 その噂も様々で、某大物俳優のアバター説や、リンクの運営が使っているアバターだったり、と様々な憶測や考察がされているがその正体は一切不明らしい。

 リンク内での配信から火が着き、今ではテレビにもバーチャルタレントとして出演している程だ。白夜が勧める物は売れる。という事もあり、企業CMにも引っ張りだこ状態だ。

 そんな白夜が今夜配信しているらしかったので私は、自分のアバターを操作して白夜の配信を見に行くことにした。配信部屋は円形のステージ構成になっていて、ステージの中心に配信者が立ち、円形のステージを囲むように観客が座席に着き、配信者の話を聞くようになっている。




 『ってことで、ホナミちゃんありがとうね!ホナミちゃんはきっと可愛いからモデルとかしたほうがいいよ!』銀色の髪を靡かせながら、ステージ中央の男は、向かい合って話している女性アバターの頭をポンポンと叩いていた。

 『あの!白夜さん!あの、ありがとう!』女性アバターは目をとろんとさせて、興奮状態で白夜を見上げていた。

 『ごめんなー。もう時間だから、またね!』

 女性アバターをステージから客席に手招きで誘導すると女性アバターは感激した様子で観客席に戻っていった。

 『お、ボーンさん。俺とディベート?面白いね。いいよ上がっておいでよ。』

 観客席から大柄の体型のアバターがステージに登ってきた。大柄でいて、作業服のような出で立ちで、見た目は40代の男性のようだった。だが、このアバターの見た目が実際のユーザーとリンクするとは限らない。性別を偽ることは運営上禁止されていて、ユーザー登録の際に住民票の提示を求めるほど徹底されている。

 性別以外は好きに変更しても問題なく、見た目の制限はないため、ユーザーは好きな見た目にカスタマイズすることができる。

 先程のホナミというアバターとは白夜との恋愛トークをするという企画だったが、ボーンとは、ディベート討論大会という企画で配信するらしい。白夜の配信で有名なのは、視聴者とのディベートや悩み相談を行う配信が人気を博していた。白夜と話せる、というだけで応募が殺到して当選が難しいらしい。


 『おう、あんたの配信に上がれるなんて嬉しいぜ。』

 ボーンは慣れていないのか、すこし緊張気味みだった。声の感じから年配の雰囲気は感じ取れた。

 『ボーンさん、ありがとね。で、今回は何話す?俺と話すだけでも、当選しないとあがれないからね?』白夜はボーンを小馬鹿にするように言った。

 『それはどうも。あんたに大事な話があるんだがよ』

 ボーンは大きな体を小刻みに揺らしながら白夜を睨んでいた。緊張というより怒っているようにも見えた。

 『おれの娘をどこにやったんだ!』

 会場がどよめいた。

 『あーそういう系ねwはいはいw』白夜は慣れているかのように両手を上げて手のひらを上にし、やれやれと言った。

 『おれの娘がお前のファンでな、お前に会いに行くって言って、帰ってこないんだよ。

 』

 会場の反応はボーンをバカにするようにあざ笑っていた。中にはボーンに野次を飛ばすアバターもいた。

 『皆さんごめんねー。俺はもっと政治の話をしたかったんだけど、またゴシップ好きのバカが来ちゃったよ。でも俺大人だから相手するからねー』白夜がステージをくるりと見回しながら言っている。先程の野次は歓声に変わっていた。

 『で、俺のファンはいっぱいいるのはわかってるよ。でも俺が原因でなんでいなくなるのよ?』白夜は続けた。

 『俺と会うって白夜としてじゃなくて俺自身にあったの?』

 この俺自身というのは白夜ではなくアバターを使っている実際の自分自身のことだ。

 『お前のグッズを集めだして、お前の配信に行ってたことも知ってたさ。』

 ボーンは一呼吸あけて続けた。

 『お前に会えるかもしれないって言って、そのまま帰ってこなくなったんだよ。もう3ヶ月だ。警察に相談してもただの家出だって全く相手にしてくれない。』

 『なんで俺が誘拐したみたいになってんのさ。おじさん無理ありすぎるぜ。』

 

 『お前が運営と結託して人さらいビジネスをやっていることも知っているんだぞ!』

 ボーンは必死な形相で白夜を睨みつける。

 『は?なんだそれw俺が視聴者を攫うって?映画の見すぎだよ。話にならないなぁ』

 白夜は小馬鹿にしながらもボーンに向き合った。ふざけていた態度とは一転して、真顔になる。

 『ボーンさんって言ったかな?俺にアンチがいることもわかってる。だけど話が飛躍しすぎだ。あんたの娘さんは気の毒だが、俺は何も知らないし、視聴者の住所まで調べることも俺には無理だぜ』白夜は同情するようにボーンに語りかける。

 『…ワラさん、を殺したのもあんただろ……』

 配信部屋の観客席がざわつきはじめる。

 『ん?なんだって?』

 『タワラさんを殺したのもあんただろ。俺は知っているんだぞ。あの人は必ず、この国を変えてくれる人物だった。あんたがやったんだ!』ボーンは興奮をしているのか、白夜に掴みかかった。

 しかし、白夜はその細身の体躯であるアバターながらも見事な体捌きで、ボーンを押さえつけた。その時に白夜は何か呟いているようだったが聞き取れない。

 『嘘だ!!離せよぉこの野郎!!』ボーンは体を押さえつけられながらも、必死に体を揺らしている。

 そしてリンクのロゴが入った、白い制服を身にまとったアバター数名がステージに上りボーンを連れて行った。色こそは違うが、見た目はほとんど警察と変わらなかった。

 『あーあ。運営に連れていかれたね。みんなごめんねー。ってまたネットニュースになるねw』

 私はリンクからログアウトした。アバター自身は元気だとしても、私自身は、睡魔には勝てずここで退出をした。何かが引っかかりながら私は、眠りに落ちた。

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