天の川を挟んだ未来
神永 遙麦
天の川を挟んだ未来
私よりよほど年下じゃない限り同じ時に生きている、いつか出会う
考えてもみてよ。その人は私の運命の人なんだよ。なのに、多分だけど、まだ出会ってもいない。
16歳の亜子はブランコを漕ぎながら、空を仰ぎ見た。
その人は今どこにいるんだろう?日本?海外?
その人は今何をしてるんだろる?夕方だし、同年代だったら部活かバイト、もしくは勉強。10くらい上だったら、仕事かな。ニートは嫌だもん。大学院の可能性もあるかもだけど。
でも……。
地に足をつけ、ブランコを止めると亜子は惨めな気分になった。
でも私のプリンス・チャーミングって、私みたいな子を選びそうもない。きっとその人は……。ん?
ブランコ漕ぎを再開すると、黒い睫毛がファサっと舞った。
私、どんな人が好きなんだろう?そもそも不思議だよね〜、まだ恋なんてしたことないけど。そもそも「幸村 亜子の初恋相手」って嬉しくもなんともない称号だと思う。「エミー・ワトソンの初恋の人」とかだったら名誉だと思うけど……。
私なんて睫毛長い二重まぶた、ってことしか取り柄ないもん。胡座かいてる鷲鼻だし、たらこ唇だし、おまけにニキビ面。思春期ニキビだろうかな、気にしてないけど。後、腹回りの脂肪がどんどん増殖してるし。
私、相手いなさそうだな〜。結婚相手はおろか、カレも出来なさそう。お見合いでも、私の写真見たら即、萎えるだろうな。そもそも、結婚しない運命かもしれない。
亜子はブランコから飛び降りると、スキップで家に向かった。
そもそも田舎者の私が誰かも付き合っても、ストーカーに遭いそうだもん。で、人と付き合うのが怖い私に、結婚なんて出来やしない!
「でも」と、亜子は茜色の空に手を伸ばすと走り出した。早く家に帰って短冊書こう。
天の川を挟んだ未来 神永 遙麦 @hosanna_7
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます