第6話 色々と長~~~~~~い話。
「――ようやくお目覚めだね、リトス。いや……ここは愛しの
妖しく煌めく黒金色の瞳が俺を捉え、様々に浮かんでいた思考の渦が一気に掻き消える。……静まれ俺の理性。そいつより今は訊く事だらけなんだよ。
「ダーリンは勘弁してくれ……。リトスで良い。お前は――」
「ナムサフュノジャエリクルトゥンエラフス」
「は? あんだって??」
「ナムサフュノジャエリクルトゥンエラフス。私の
ナムサフュ……そんな
「……今更拒否権なんざ無いんだろうが、一応訊くぞ。何で俺なんだ? 俺は何処にでもいるような
「ん~…… これは表現の難しいデリケートなゾーンになっちゃうんだけど。……そもそも、私は最早ドラゴンであって
だから自称ドラゴンってのは言い得て妙なのさ、とか抜かしつつナムサ……もう面倒だから略してナムが、さっきの続きだと言わんばかりに迫って来るのを手で強引に押し返す。
「んん~っ。何すんのさ!」
「そりゃコッチが言いてぇんだよ。……今日は何月何日だ?」
「7月10日だね」
「3日も経ってんのか。どうやって此処まで来た?」
「キミを一時的に掌握して、あのトラックを運転させて来たよ」
「やっぱり乗っ取ってんじゃねぇか。俺の喰った耳はどうした?」
「恐ろしく甘美な味だったね。……そんな怖い顔しないでよ。アレはこの世界の
……
それがコイツ本来のやり方だってんならまあ良い。そうじゃ無きゃ……。
「……俺にはお前の元居た世界の都合は分からんがな。前までサッパリだった説明が理解出来ちまってる時点で、俺に何かしたってのは確実だ。最低限、お前の持ってる知識の一欠片ぐらいは植え付けられたかなんかしたんだろう。お前のやってる事は俺からすれば、神業にも等しいシロモノだ。その最適化とやらが本当に上手く行ったんだとしたら、別にこんな場所に拘る必要も無いぐらいにはな。でもお前は俺を巻き込んで、ガキまで仕込んで居座ろうとしてる」
何か言いたげなナムの視線に構わず続ける。
「生まれてからロクな人生歩んじゃいないが、勘は良いんだ。――無理してんだったら、取り敢えず全部吐き出せ。俺なんかで良いんだったらずっと隣に居るぐらいは出来る。金は無くても暇だけは腐る程あるからな」
「……言ったね? ドラゴンってのは案外執念深いんだ。一度結んだ誓いを反故にするのは、その一族を全て敵に回すに値する愚行となる。キミにその覚悟はあるのかい?」
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