第2話


???「みんな、集まったみたいだね。それじゃあ、始めようか。」




桐江さんの話によれば、この人が是本さんなんだろうか。話し始めた。




マサミチ「...じゃあまずは僕から。僕は、是本コレモト 真理マサミチ。警察官をやっているよ。」




アズマ「おっさん、警察官だったのか!バリバリに私服じゃないのか?それ」




...敬語というものを知らないのかこいつ...




マサミチ「いやね、僕は私服警官なんだ。見回りをしていたところを襲われてね...。というか君、おっさんとはないだろう。まだ30を過ぎたばかりだぞ。」




アズマ「ごめんって、おっさん!じゃあ、俺も自己紹介すっかな〜」




こいつ...いいヤツなんだけどな...




アズマ「俺は、神木 アズマ、高2だぜ!こいつと幼なじみで、クラスもずーっと一緒だ!良いやつだから仲良くしてやってくれな!」




ガシッと肩を組まれた。




ナオト「次は、俺がしたほうがよさそうだね。俺は東雲 直斗。同じく高2です。いつも通り一緒に帰ってたら、仮面の男に襲われて...あ、いや性別は分からなかったけど何となく男かなって感じでした。」




???「......」




なにやらいいところのお嬢様みたいな人が、俺たち2人を不思議そうに見つめている。




ナオト「えっと...どうしたんですか?」




???「わたくしたちはみんな、1人ずつ入ってきましたわ。なのにあなた方だけお知り合いらしいので気になりまして。」




マサミチ「たしかに、そうだね。犯人の計画性が見えないな...」




レイナ「失礼、申し遅れましたわ。みなさま、スメラギコーポレーションはご存知ですか?わたくしはその社長令嬢、スメラギ 麗奈レイナと申します。以後、お見知り置きを。」




スメラギさんは、礼儀正しくお辞儀をした。


ところで、スメラギコーポレーションは知っているぞ。かなりの大企業じゃないか...




???「んじゃ、次はアタシかな」




ものすごい派手髪の女が話し始めた。ピンクと水色だ...すごいセンスだ。




ツムギ「アタシ、猪狩イノカリ 紬希ツムギ。ロックバンドでギターボーカルやってんだ。まぁそこのお嬢ちゃんとは違って有名じゃないけど、ケッコーいいバンドだと思うぜ?」




???「おっ、ネーチャン、バンドマンか。カッケェーなぁ。」




大柄で、いかにも体育会系の男が話し始めた。




キョウスケ「よぉ、みんな。俺の名前は車田クルマダ 京介キョウスケ。歳はたぶん、そこのおまわりさんと同じくらいだと思うぜ。職業はボクサー。よろしくな!」




マサミチ「お、そうなんだ。この後、1杯いくかい?」




キョウスケ「おっ、いいね、マサミっちゃん!グイッといこかー。ガッハッハッ!」




車田さんは、大笑いしている。


こんな状況なのに、能天気な人たちだな...




???「楽しいところ、ごめんなさい。みんな話してるようなので、私も自己紹介しますね。」




マリ「私の名前は、白雪シラユキ マリって言います。」




白髪の女の子が話し始めた。


何だこの子は!すごく...なんだ...


すごく可愛い...!




......あっ...やばい、四が!!




アズマ「おおーっ!白雪ちゃん!鞠ちゃん!超ぉぉーーかわいいじゃん!歳いくつよ!」




白雪さんの頭を、四が撫で回す。


...なんてやつだ!逆に羨ましい...




マリ「あっえ...えっと...15ですけど...え..?」




アズマ「15かぁぁ、わっけぇなぁおい!」




マリ「はぁ...ありがとうございます...?」




アカネ「...ちょっと。その辺にしてあげたら?」




桐江さんが、アズマを白雪さんから引き剥がした。




マリ「あっいえ、私は平気です...」




アズマ「あっ...何すんだよ〜」




アカネ「なにって、当然のことをしたまでよ。」




アカネ「...そういえば、私の自己紹介がまだだったわね。一通りみんなとは話してるつもりだけど...。私は、桐江キリエ アカネ。普通の大学1年よ。よろしくね。」




...桐江キリエさんが話し終わって、すこし雑談を挟む人もいたが、まだ話を聞いていない人が2人いるな...。




しばらくして、是本さんが口を開いた。




マサミチ「あと2人、名乗ってない人がいるけど。話せそうかな?」




すると、そのうちの一人の、へらへらした感じの人が話し出した。




???「あっ、ごめんごめん。あんまりみんなが冷静に進めてるもんだからさぁ。ちょっと驚いちゃって。だって、不自然じゃないかなぁ?」




マサミチ「たしかにな。みんな、適応能力が高すぎる...というか。...まぁ、少し怖いが。この状況ともなると、これくらいの方がかえっていいだろう。」




???「んー、おまわりさんがそう言うならいいんだけどね〜。」




ランマル「ボクの名前は、飯伏イブシ蘭丸ランマル。17歳。まぁ別に、覚えなくてもいいよ〜。あ、そういえば。そこの2人も17歳なんだっけ?よろしくね〜。」




飯伏イブシくんが、俺たちの方を見る。のらりくらりとしている様子だが、


なんだ...


あまり関わりたくないタイプだ...


直感でそう思った。




マサミチ「...それで、君が最後なわけだけど、話せるかい?」




???「あっ、はい...!えっと、あの、あの!」




アカネ「落ち着いて、早坂ハヤサカさん。ゆっくりでいいわ。」




???「あっ...」




見たところ、中学生くらいだろうか。


こんな小さな子も捕まっているなんて...


焦るのも、無理はないよな...。




アンズ「えっと...ごめんなさい、私、早坂ハヤサカ 杏珠アンズっていいます!その...、中学!1年生ですっ!」




マサミチ「中学1年...かなり若い子もこんな目にあっているのか...。」




アカネ「あなた、警察官なんでしょ。こういう事件は何も知らないの?」




マサミチ「......いや、ごめんね。僕は何も知らないし、局のほうでも、そういう話は全く聞かないんだ。もしかして、疑ってる?」




アカネ「いえ、聞いてみただけよ。有力な何かがあればと思ったけど、残念だったわね。」




マサミチ「はは...。なんか、ごめんね。」





全員が、静まり返った......。





誰も話さなくなってから、3分くらいは経ったと思う。


いや、こんな状況だから長く感じただけなのかもしれないけど。








しばらくすると、大きな円形テーブルの辺りから音がした。そして...




なんと、円形テーブルの上に、1人の人間と、人形が現れた。




人形のほうは、人の体に猫の顔をしている、なんとも不気味な形をしている。大きさは、普通の人間と変わらない。




人間のほうは、立派な黒スーツ姿に...




.........!?




アズマを、俺たちを襲ったやつとそっくりの仮面をつけている!!




俺がなにか言う前に、アズマが叫んだ。




アズマ「おっっ、お前!!!あの時の...!!」




アズマが怒っている。


だが、喧嘩っ早いアズマでも、さすがに何かを感じ取ったらしく、手までは出さずに堪えていた。




他のみんなは、知らないような顔をしていた。後ろから襲ってきたあの仮面の姿を知っているのは、2人同時に捕まった俺たちしかいないんだから、当然と言えば当然だ。




???「まぁまぁ、慌てないでください。」




落ち着いた男の声が、仮面の中から聞こえた。




???「私は、この人形の補佐をしています。案内人とお呼びください。」




全員が黙り込んだ。




しばらくして、案内人とやらがまた話し出した。




案内人「突然ですが、ただいまより、皆様には殺し合いをして頂きます。」




は...?殺し合い....?



辺りもざわめき始めた。


意味が分からない......勝手に連れ出して、殺し合いをしろだ...?




だが、案内人に反抗するものは現れなかった。この場を包む異様な雰囲気を、感じ取っていた。




''ここで反抗したら、確実に殺される''




全員が、そう思った。




案内人「おや、皆様。案外落ち着いておられますね。いいことです。それでは、ルール説明をさせていただきます。」




案内人「ノエル様、お願いします。」




ノエル?あの猫頭の人形の名前か...?




人形の猫目が、いきなり赤色に光った。


そして...




???「やぁやぁ!オイラはノエル=ユーグ!


このデス・ゲームのゲームマスターさ!


それじゃ、さっそくルール説明しちゃうよー」






デスゲーム......?




俺はとうとうどうにかしてしまったのかと思い、自分の頬をつねった。




...夢じゃない......




俺は、頬の痛みに、絶望を覚えた。

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