捕・縛


 具材が少ないので、必然的に料理の量は少なくなり、それを2人目で分けたので余計に少なく感じる。


 「やっぱり・・・少ないですね・・・」


 「黙って食べよう・・・こいつたちはそれを望んでいる」


 涙ぐみながら俺は答える


 「やっぱりなんか様子が変ですよ?・・・どうしました?」


 「いいから食べよう・・・いただきます・・・」


 そういってまずはピーマンに手を出す。


 「っ!これは!」


 そんなはずはないと俺は2口目に手を出す。


 だがやはり間違いではなかった。


 「「おいしくない・・・」」


 味の感想がレリレアとハモる


 「いや・・・よく考えたら収獲にまだ適した時期じゃなかったし・・・」


 そう完全に失念していた、夢に出てきた謎の野菜集団に気を取られて忘れていたがまだ収獲には早かったのだ、それに無事とはいえ爆風で多少傷んでしまっている


 「じゃあこのトマトも・・・」


 そういって俺はトマトに手を出すが、やはりこれも・・・


 「まずい」


 やはり思い通りだった・・・


 「「・・・・」」


 「「・・・・」」


 俺とエレシアの間に気まずい空気が流れる、だがそんな空気を破ってくれたのは俺の大嫌いな奴の叫び声だった。


 

 「ツインバインドロックチェーン!」


  直後、窓を突き破って来た鎖が俺の下半身と上半身を狙う軌道で飛んでくる


 「あぶねっ!!」


 だが何とか間一髪で躱すことに成功する


 よし、状況を整理しよう、この鎖を放ったのはおそらくカワナミ、そして俺の魔力は20%ほど。


 「エレシア逃げろっ!」


 俺が出した結論、それはエレシアを逃がすことだった


 「え・・でも」


 「いいから早く逃げろ!」


 もともと俺のブラック戦場にエレシアは関係ない、それなのに俺のことを心配して助けてくれた、これ以上迷惑はかけられない


 「っ・・・捕まらないでくださいよ!スローライフを過ごすまでに!」


 「巻き込んじゃって・・ごめんな」


 エレシアは裏口から出て行った・・・これでもう俺を止める者はいない


 バァンという音が家中に響き渡る。


 「なかなかいい家に住んでるじゃないか」


 「ま、それも無駄になるがな」


 カワナミがドアを蹴破って家の中に入ってくる


 恐らく俺の魔力残量からみて俺はカワナミに捕まる、だがエレシアが逃げるまでの時間稼ぎをしなければ・・・それに


 「お前を

倒してしまっても構わんのだろう?」


 


 



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