恐・怖

「さぁーておっじゃましまーす!」


 こうして俺は家のドアを開けた・・・そこには全長1mはあるであろう大蜘蛛、デットスパイダーがいたがいた。


 慌てて俺は気付かれないうちにドアを閉める


 「待て待ておかしいだろいくら整備されてないとはいえ、なんでデットスパイダーがいるんだ!」


 「落ち着け俺、デットスパイダーは単独でしか活動しない、つまりあの1匹だけだ、しかもでかいといえどただの蜘蛛」


 俺は大の蜘蛛嫌いだった、戦場で遭遇した時はいつも魔法で焼き払っていたが、今はそんなことはできない。


 家に燃え移ってしまうし何より、今の俺には


 「魔力がない」


 だから直接武器で戦うしかないのだが、持っている武器と言ったらクワ、ナイフ、ノコギリ、ハンマー、この4つだけだ、剣など持ってきていない。


 「やるしかない・・・のか・・・」


 俺は右手にナイフを握りしめ、覚悟を決めてドアに手を掛ける。


 「うぉぉぉぉ!!!」


 俺はドアを開けた瞬間にデットスパイダーに向かって走り出す、デットスパイダーも俺に気づいたようだ。


 「シシュー!!!」


 デットスパイダーは俺に向かって糸を吐き出す。


 俺は左手でそれをガードし左手に蜘蛛の巣が絡みついてしまうが、距離を詰め、ナイフでデッドスパイダーの首を切り落とす。


 なんとか倒して一安心していたのだが・・・


 ブシューと何か音がしたかと思うと首が切り落とされて残った体から体液が噴出しそれがもろに顔にかかる。


 「ぁぁぁぁぁ!!!くぁwせdrftgyふじこlp!!!」


 この日は飛び散った体液の掃除とリビングの蜘蛛の巣の掃除で1日が終わってしまった。まだ寝室と廊下の蜘蛛の巣が残っている。


 仕方なく今日はリビングで寝たがいつ蜘蛛に襲われるかたまったもんじゃなかった。


 「幸先悪いなぁ」


 こうして俺のスローライフ生活1日目が終わった。


そして翌日、 朝、俺は蜘蛛が顔を這う感覚で目が覚めた。


 「あぁぁぁぁ!!!くぁwせdrftgyふじこlp!!」


 10匹あまりの蜘蛛が俺の顔を這っていた


 「マジックウインド!・・・あぁ忘れてた!!」


 俺は蜘蛛を風魔法で吹き飛ばそうとしたが寝ぼけてたからか魔力がないことを忘れていた。


 すかさず俺は掃除用に持ってきていたほうきを掴んで振り回して蜘蛛を追っ払う。


 「はぁはぁ・・・なんとか追っ払ったか・・・」


 こんなんじゃ俺のスローライフ生活など送れるれるわけない


 「掃除するか・・・」


 「昨日はリビングとダイニングを掃除したから、次は廊下か・・・」


 俺は昨日に引き続き掃除を始める、ほうきで蜘蛛の巣を巻き取っていくのだがいかんせん蜘蛛の巣が多すぎる。


 リビングから寝室、倉庫部屋につながる廊下を掃除していたのだがここで俺は2階につながる階段を見つける。


 「あぁここから2階に行けるわけか・・・しかも見取り図では3階もあるんだよなぁ」


 思ったより家が広かった嬉しさと掃除のめんどくささで頭がぐちゃぐちゃになる。


 ここから俺は3時間かけてなんとか廊下の蜘蛛の巣を全部取っ払った。


 俺はいよいよ寝室のドアに手を掛ける


 「さぁ・・・開けるぞ・・・」


 快適なスローライフ生活を送るためには快適な寝床が必要だ・・・俺はほうきを構え覚悟を決めて寝室のドアを開けた。


 「っ!?」


 俺は思わず絶句する


 ベッドの上には10歳ぐらいの年齢の女の子が心地よさそうに睡眠をとっていた。




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