オバチャン集団、キャンプ飯

『そうそう。ペグはナナメにぐっと刺して…対角線上に打って下さいね〜』

『良い感じです〜!ポールの先端を中央に合わせて立ち上げて…完璧ですよ〜』


リュカによる指示のもと、それぞれテントを設営していく。焚き火と椅子を出して、ようやく一息つけた。


「テント立てるのって意外と難しいのねぇ〜」

「ほんと、大変だったわ。最近テレビでキャンプブームだって言ってたじゃない?皆どこで覚えるのかしらね?」

「ウチたまーにソロキャン行くよ?バイクで移動してさ。結構楽しいよ」

「大変だけど、こうやって外で飲むコーヒーも良いわね。ちょっとクセになりそうだわ」

「そうそう!海沿いのあそこにグランナントカって手ぶらでキャンプ出来る施設出来たらしいわよ。ジョニーズの椎葉ちゃんが来てたのよ〜」

「そうなの?手ぶらで良いなら行きたいわね。次はツアーじゃなくてそういったところに泊まるのも悪くないわねぇ」

「あっ、そういえばさっき買ったお菓子が(ゴソゴソ)ほら、コレ美味しいわよ!」

「(ポリポリ)…ほんとだウマイ」

「この間さ〜、義理の姉が送ってきたお菓子がね?なーーんか安っぽくてさ。良く見たら一度開けた後があったのよ!あれ絶対自分がいらないから送ってきたんだわ」

「うわ、昼ドラじゃん」

「それって、あの人?嫌〜ね〜」


日も大分傾いてきたので、予定を切り上げて夕食作りをする。メスティンに折ったパスタと水とオイルを入れて火にかける。その間にニンニクをスライスして、トマトとセロリとベーコンを切っておく。別のメスティンにキノコを一口大に切ったものを入れてオイルを多めに入れて、コレも火にかける。

バゲットをスライスして、軽く火で炙って皿に並べる。串焼きの焼く前のモノを購入していたのでそれも火で焼いていく。

パスタが茹だってきたら、別で炒めておいたニンニクとベーコンを加え、塩コショウで味を整える。トマトとセロリを最後に加えてさっと炒めれば完成だ。

玉ねぎ・人参・セロリ・パプリカ・ジャガイモを1センチ角に切ってオイルで炒めたら水とコンソメを加えて煮る。野菜が柔らかくなったら塩コショウで味を整えて、こちらも出来上がり。


買っておいた白ワインは魔法で冷やす。

料理に使おうかとも思ったが、何となく勿体なくてやめておいた。


「あ〜〜〜〜美味しいっっ!」

「外で食べるご飯って美味しいわよねぇ」

「ウチらお酒とツマミがあればどこでも美味しいじゃん(笑)」

「言えてるぅ〜〜(笑)」

「パスタって、茹でるの面倒と思ってたけどこれなら楽で良いわね」

「レンチンできるやつ使わないの?」

「あれね〜、使ったけどなんか美味しくないのよ〜」

「そう言えば、この間百均でレンジでお米炊けるヤツ売ってたわよ」

「えっ!今の百均そんなものも売ってるの?」

「ちょっとタバコ吸ってくる〜」

「イマドキの百均って何でも揃うのね〜」

「ほんと、百均だけで生活できちゃうわよぉ(笑)」


食後はクラッカーの上ににチョコとマシュマロを乗せ、軽く火で炙ったチョコスモアだ。ドライフルーツやナッツ類やチーズも用意してある。冷えたスパークリングの白ワインが美味しい。


「みて、すごい星空!こんなの見たことないわ!」


見上げると、満天の星空だった。

美味しいお酒とオツマミ。楽しい仲間と星空。最高の夜を過ごした。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る