6-4 アイツと僕

ミハナ

6-4 アイツと僕

公表するって言っても、受け入れられるか分からないのに?そっちの方が僕は不安だよ、不安そうなアイツの顔をゆっくりと撫でる。

でも、決めたんだ、お前にそんな顔させたくないって、撫でた手を掴む手のひらはもう震えてなくて。

それにお前の事を好きな奴への牽制になるなら、公表する。

奇特なやつ、いないと思うよ?言っても、アイツの決心は固そうで益々抱き込まれる。

ずっと好きだったんだ、もう我慢したくないって耳元で囁かれてぞくりと背筋が震える。

我慢したくないのは、僕の方だってそうだ。

誰からもモテるアイツの周りにずっと嫉妬してたんだ、幼なじみだからと引き合いに出される事も多くて、ラブレターを渡してくれと言われたり、釣り合ってないって言われた事も多かった。

その度に諦めようとした、でもアイツの眩しさに惹かれて、どうしても諦められなかった、

今こうして恋人になれたんだ、我慢したくない。

ポツポツと語る僕に、お前はオレより実は意思が強いんだよとその揺らがないところが昔から憧れだった。

思わずアイツを見返すと、もう不安そうな顔はしてなくて。

僕たちは引き寄せられるかのようにキスをしていた。正真正銘僕のファーストキスだった。

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6-4 アイツと僕 ミハナ @mizuhana4270

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