第4話 委員会決め ①
入学式当日の夜、僕は暇だったのでラノベを読んでいた。
「やっぱり面白いなぁ、ラノベって。」
そう独り言を呟いた。そんな時、
『ピコン!』 メッセージが来た音がした。
「あれ、こんな時間に誰だろう?」
画面をみると、《akaneより新着メッセージ:二件》とあった。アプリを開くと、
akane:改めて、綾人クンよろしく!
そのメッセージと共にアニメのスタンプが送られていた。西宮さんもアニメ好きなのかな?明日はそれを話題に話してみよう。あ、それより返事返さなきゃ。
綾人:こちらこそ、よろしく。
まぁこれでいいか。女の子なんて、市川さんと美奈ちゃんしか連絡しないし、ましてや新しいニュータイプの人だから困るなぁ。
akane:うち、眠いから寝るわ。おやすみ。また明日ね。
綾人:うん、また明日。おやすみなさい。
ふぅ。じゃあ僕ももう少ししたら…あれ、眠気が…今日は疲れていたのかな…
そこで僕の意識は遠い夢の中へと誘われた。
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ピピピピ…ピピピピ…
アラームが鳴っているけど…もう少し…もう少しだけ寝させてくれ…
「コラァ!お兄ちゃん!起きろぉ!!!!!」
その叫び声が聞こえた途端、僕の上に乗っかる物体が!エイリアンか!?殺人鬼か!?
「エイリアンでも殺人鬼でもないわぁ!オラァ!」
「ぐへぇ!」
う…朝から腹部が痛い…ってあれ?今の誰だ?
「もう!お兄ちゃんったら何回起こせば気が済むの?」
「なんだ、真希かぁ。ふわぁぁあ。」
「なんだって何よ!いつも起こしてあげてるのに。」
「僕は別に頼んでないんだけどな…」
「お母さんが起こしてきてっていうから仕方なくやってるの!さぁ、早く早く。」
そう言って真希はスタコラサッサと下に降りて行った。
二越 真希 中学三年生。真希は小学生のころうちの両親に引き取られた子で、僕の血の繋がった妹ではない。だが、僕と両親はそんなの気にせず家族として過ごしている。真希は中学でも有名で、スポーツ万能、容姿端麗、頭脳明晰の三拍子が揃っている。どこぞの名探偵か!とツッコミたくなるほどだ。凄いのは、生まれつきの才能ではなくほとんどが努力によるものであるということ。こんなにかわいい妹がいて僕は嬉しいよ。シスコンじゃないけど。
僕は妹に叩き起こされたので早速顔を洗って、リビングについた。
「あ、おはよ〜」
「ん、おはよう真希。」
「ご飯できたから先座っといてね。今日の朝ごはんは目玉焼きとウインナー!そしてピザトースト!」
「いつもありがとうね、真希。」
そう、僕たちの両親は僕の高校進学を機に、海外に出張に行った。もちろんお金は十二分に渡されているし、心配もない。なのでご飯の支度は全て真希がやってくれている。僕は洗濯と掃除係である。
「急にどうしたのお兄ちゃん?頭おかしくなった?」
「はいはい、冷めないうちに食べようね。」
「「いただきます」」
朝食を食べ終わってから支度をして、僕は玄関で靴を履いていた。
「お兄ちゃん、帰ってきたら高校のお話してね?」
「うん、まだ初日だから面白い話できるかわからないけどね。じゃあ、行ってきます。」
「うん!いってらっしゃい。」
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家を出た僕は、いつもの三人と共に学校に向かった。教室に着くと、半分くらいのクラスメイトは来ていた。
「あ、おはよー可恋ちゃん、美奈ちゃん。」
「お、柳原!おはよっす!」
僕を呼ぶ声は…無い、か。と思った時。
「おはよ、綾人クン。」
前言撤回。いました。
「おはよう、西宮さん。」
僕は席についてから軽く挨拶した。西宮さんは今日もギャルメイクである。それからはどんな学校に通っていたかとか、どの辺に住んでいるのか、などを話していた。意外と上手くやれているぞ。
「綾人クンは兄弟とかいる感じ?」
「うん、いるよ。一個下の妹だよ。」
「そんじゃ来年はここ来てくれたら私たちセンパイだね〜」
「そうだね。妹は頭いいから県外の進学校とか目指しそうだなぁ。」
「妹ちゃん頭いいんだ!やっぱしかわいい?」
「自慢の妹だからね。」
「わ、さすがお兄ちゃんだ。」
そう言って西宮さんはニヤニヤしている。だからブラコンではないぞ、決して。
ガラガラガラガラ。
「はーい、じゃあHR始まるねー。」
園井先生が入ってきた。やっぱり美人だなぁ。
「今日は自己紹介と委員会決めあるからしっかり考えといてね〜」
その後諸連絡を伝えた先生は教室を出て行った。皆はどの委員会に入るかで盛り上がっている。とりあえず僕は廉也達の元へと集まった。
「俺は体育委員にするわ。」
「廉也は体育委員か。僕は図書にするよ。」
「私は風紀にするわ。可恋ちゃんは?」
「私は二越くんと同じで図書かなぁ。」
市川さんも図書委員やってくれるのか。友達がいると心強いからなぁ。
「二越くん、西宮さんはなんか言ってた?」
市川さんが僕に尋ねた。
「西宮さん?何も聞いてないけど、どうかした?」
「ううん、ただ気になっただけ。私まだ話してないし仲良くなれたらなぁって。」
「そうなんだ。また聞いてみるね。」
その後、帰りに四人でアイスを買って食べる約束をして解散した。
そして、運命の委員会決めが始まった。
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