おまけ
外伝1〜ドキドキ年末お泊まり会〜
付き合ってから3年が過ぎた...そう私たちは高校を卒業して大学生になった。そんな年ももうすぐ終わり、年が明けようとしている。
「あおちゃん、年末どうする?実家帰る?」
「帰らなくて良いんじゃない?夏に帰ったしどうせなら涼でも誘って一緒に年越ししよう」
年末も二人で過ごしたかったけど、涼ちゃんはバイトしていたとこから内定を貰って卒業後は就職して働いているから、あまり遊んだり出来てないし1日くらいは我慢しよう!
「いいよ。仕事も終わってる時間だろうし、早速電話かけてみるね」
「よろしく〜」
勘のいい人は気づいてるかもしれなけど私とあおちゃんは大学入ってから同棲し始めた。
「もしもし涼ちゃん?今時間大丈夫?」
『ええ、大丈夫よ。なにかしら?』
「年越しうちに来ない?ってあおちゃんが言ってるんだけどどう?」
『二人がいいならお邪魔しようかしら』
「オッケー!じゃあそう言うことでまた今度ねー」
お嬢様言葉まだ使ってるのかと思ったけど似合ってるんだよね。全然お嬢様じゃないけど・・・
「涼ちゃんは来れるみたいだよ」
「何か用意する物ってある?」
年越し蕎麦用の蕎麦と、みんなでつつけるおでんとかにしようかな。おせちは送ってくれるらしいから、こんなもんかな
「用意するのはこんな感じだよ」
「穂乃華、穂乃果を世界一愛してる私でも流石に頭の中まで読むことはできないからね!?」
「んー、かくかくしかじか?」
「なるほど。かくかくしかじかね...ってわかるわけないでしょ!」
あおちゃんはこういうおふざけでも乗ってくれるとこ好きなんだよね〜
まあ、やりすぎると拗ねちゃうからナニかしてあげないとだけど
「まあまあ、買い物ついでになるけどデートしに行く?」
「・・・・・・行く」
*
私たちは近くの商店街に来ていた。
一年近く通っていたからか、肉屋さんの店主とかと普通に世間話とかするくらいには仲良くなった。
「お、穂乃華ちゃん今日も買い物かい?」
「はい!年越し用に蕎麦とおでんの具材を何個か買いにきました。
・・・あと、彼女の機嫌損ねちゃったのでデートしにきました。」
「まあ!デートなんて若いわね〜この辺りは楽しいとこ少ないけど楽しんでって頂戴な」
「ありがとうございます。あとで買いにきますね」
「はいよ。良いの用意して待ってるからね!」
いつもおまけして貰ってるから申し訳ないけど、親からの生活費で暮らしてる身からすると本当にありがたい
「お店の人と仲良いんだね」
「毎日のように通ってるからね。それに、あおちゃんの話とか結構してるよ?」
「なっ、恥ずかしいからあんまり外で話さないでよね!」
好きな人いる人は分からなくはないと思うけど、好きな人の良いところって他人に共有したくならない?なるよね!?・・・まあ、そんなことは置いといて
「はいはい、わかりましたよ」
「絶対わかってないやつじゃん...」
「努力はするよ。あっ、あそこのお店入ってみよう!
前から気になってはいたんだけど、入ったことは無かったんだよね」
努力するとは言ったけど改善するつもりは一切無い!
「どんなお店なの?」
「有名なのはオムライスとかパンケーキかな?行ったことないからよく知らないんだけどね」
そんな訳でお店のドアを開けると...
「「お帰りなさいませ、ご主人様」」
このお店はメイド喫茶でした〜!しかも、みんなが想像するミニスカの方じゃなくてロンスカの落ち着いた感じのメイド喫茶なの!
「穂乃果はどれにするの?」
「お昼時だし、オムライスにしようかな」
「じゃあ私も同じのにしようかな」
「オムライス二つお願いします」
「かしこまりました。少々お待ちください」
待つこと数分オムライスが運ばれてきた
「お待たせいたしました、オムライスでございます。では、お楽しみください」
「ん〜!卵もトロトロで中のチキンライスもしっかりと味が付いてて美味しいね」
「そうね、とっても美味しい。ところで、穂乃華ちょっとこっち向いてくれる?」
「ん?どうしたの?」
「ん、美味しい。ご飯粒ついてたよ」
普段は可愛いのに、サラッとカッコいい事してくるとかイケメンすぎでしょ。
私の彼女...
「あ〜美味しかった!また行こうね」
「そうだね!そろそろ帰って準備しないと間に合わなそう」
「ん、帰ろうか」
そう言って手を出してくる彼女、夕焼け空を背にその手を握り、歩いていく
*
夕食の準備をしていく。と言ってもおでんは出汁に具材ぶち込むだけだから簡単でいいよね。いつもは装って食べてるけど、せっかくだし炬燵にカセットコンロを置いて食べようかな。
ご飯の準備がちょうど終わったところで玄関のチャイムが鳴った
「私が出てくるね」
「よろしく〜」
「今出ますよー」
「久しぶりね穂乃華。それにしても穂乃果はあんま変わんないわね」
「それ、涼ちゃんが変わりすぎなだけで半年じゃそんな変わる訳ないでしょ...」
涼ちゃんは会わないうちに髪を染めて、腰くらいまで長かった髪を肩くらいまでバサッリ切ってるんだよね。一瞬誰かと思ったよ
「涼、久しぶり!随分とイメチェンしたね」
「ええ、まあ仕事柄多少はお洒落した方がいいかなって思ってね」
「立ったまま話してないで炬燵に入ったら?」
「お邪魔するわ。あぁ、やっぱり炬燵っていいわね〜
私の家にも買おうかしら」
やっぱり涼ちゃんも炬燵の魅力に抗えなかったか...
私たちの大学での話や、仕事先の話をしていたら
いつの間にか時間が過ぎていたみたいで、お腹の音が鳴った
「そろそろ晩御飯にしようか」
「晩御飯は何かしら?その辺りは任せっきりでごめんなさいね」
「全然大丈夫だよ。デートもしたし!
んで、今日の夕飯はじゃん!おでんです。あと年越し蕎麦も準備できてるよ」
「それじゃ、手を合わせて『いただきます!』」
ん〜!味がちゃんと染みてて我ながら美味しい!
因みにおでんの一番好きな具材は大根!醤油ベースの出汁が染みてて、その中に大根の甘みがあって最高に美味しいよね!あとは、辛子なんかも付けると違った美味しさになるよね〜
「相変わらず穂乃果の料理は美味しいわね。毎日食べてる彩乙葉が羨ましいわね。
彩乙葉、穂乃果のことくれないかしら?」
「ゴホッゴホッ、な、なんてこと言ってんのよ!穂乃果のことは絶対渡さないからね!」
「あ、あおちゃん落ち着いて?私は彩乙葉からは絶対に離れないから・・・涼ちゃんもごはん中なんだから揶揄わないの!」
「は〜い。彩乙葉は反応が良いから揶揄い甲斐があるわね」
「も〜冗談でも心臓に悪いこと言わないで・・・私、穂乃果がいなくなったら生きていけないんだから...」
あおちゃんがそこまで想っててくれたなんて嬉しい!
私の方こそ、あおちゃんが離れたいと願っても、絶対に逃さないからね...
それにしても、やっぱ虐めたくなるよね可愛いし・・・虐めていいのは私だけだけど
*
時が経つのは早いもので、来年まで残り数分となってしまった
「もうすぐ年明けだね〜」
「二人は来年したい事とかあるのかしら?」
「私は、今年は進学したばっかでバタバタしてたから、あおちゃんと一緒に旅行にでも行けたら良いな〜」
「穂乃果と一緒に入れればなんでも良いー」
なんでそんなに可愛いんだ!あーもう、好き!結婚しよ!・・・早く同性婚できるようにならないかなぁ。何かが変わる訳じゃないけど、戸籍上で家族になるのはやっぱ憧れるよね。それに、苗字がお揃いになるのも憧れる!
どこからか鐘の音が聞こえてきた
「除夜の鐘だ。なんで108回なんだっけ?」
「確か、『人の108の煩悩を除くことを願って』だったかしらね」
「へぇ〜そうなんだ。でも、私のあおちゃんへの欲求は消えないけどね!」
「穂乃華、そういうの恥ずかしいからやめてって言わなかったっけ?」
「そんなことより、せーのっ!」
『あけましておめでとう』
「今年もよろしくね!」
無事年も明けて、みんなの一年が良くなりますように!
・・・私、誰に言ってるんだろう
「ふぁーあ、そろそろ寝よ。涼はそっちの部屋使って、私達はこっちで寝るから」
「ありがとう、じゃあおやすみなさい」
「うん、おやすみ」
*
「ねぇ、彩乙葉今日シちゃだめ?我慢できなくて...」
「はぁ、涼も居るんだけど・・・ダメって言ってもするんでしょ。少しだけだからね」
朝、目を覚ますと腕の中に可愛いあおちゃんがいた。昨夜は結局ムリさせちゃったからまだ起きないと思う。眠ってる顔を見てるといまだに私の何処が良かったんだろうと思う時がある・・・
「んぅ・・ほのか?おはよ〜」
「ん、おはよう。今年もよろしくね」
それでも、幸せそうなこの顔を見るためならなんだってできる気がする。
・・・因みに、あの後、涼ちゃんに普通にバレましたとさ
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皆様、明けましておめでとうございます 作者の昼夜です
元々、クリスマスと年末ネタは書くつもりなかったんですが、友達に書いてと頼まれ、急遽書きました。面白いと思っていただけたら幸いです!
皆様の一年が良い年になりますように では、また何処かでお会いしましょう
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