魔法戦士アヴリルと魔女の女王

大久保伊織

第1話

魔法戦士アヴリルは、剣に魔法の力を秘めし勇敢な女戦士である。彼女の剣は、光を放ち、敵を貫く。魔法の力は、炎や氷の嵐を巻き起こし、敵を圧倒する。


アヴリルは、美しくも剛健な体躯を持ち、その黒曜石の瞳は決して揺るがぬ勇気と、深い知恵を秘めている。彼女の美しい黒髪は風に舞い、彼女の銀の鎧は輝きを放つ。


彼女が敵に立ち向かえば、必ずと言っていいほど、勝利を手にする。彼女の決断力と勇気は、周囲の者たちを鼓舞し、敵を恐れさせる。


彼女が戦いに勝利するたびに、その剣はますます光り輝く。それは勝利のあかしである。彼女の魔法は敵を退け、味方を守る。アヴリルこそ真の魔法戦士であり、勇気と知恵を持つ女戦士なのである。


彼女は、ある国の魔女に立ち向かうため、旅をしていた。奥深い森の中にあった国にたどり着いたアヴリルは、剣技と魔法の力を駆使し、手下の魔女たちを次々と倒していく。しかし、彼女は数多いる魔女を統率する女の正体を知らず、その罠にはまってしまう。彼女がたどり着いた先にいたのは、魔女の中の魔女である、邪悪な女王だったのだ。



その女王は、自らの美貌と魔法の力で人々を支配し、世界を暗黒に染めようと企んでいた。そのしなやかで華奢な身体に似合わず、野望はアヴリルの想像を遥かに超えていた。魔女の肌は真っ白で艶やかで、腰まであるウェーブヘアーは銀白色。そして魅惑的な黄金色の瞳。比類なき美女の女王を遠目で見ながらも、その美しさに圧倒されるアヴリル。


「ようこそ、我が城へ。この世界で私が王となり、すべてを支配するという野望を実現するため、私はそなたのような愚か者を排除する必要がある。」女王は、冷酷な表情で言葉を発した。


「そなたには、私が望むものを理解することはできない。私は、力と支配を求める者たちの中で最も優れた者であり、そのためには手段を選ばない。」女王は高飛車な口調で続けた。


「だが、そなたは私にとってはただの邪魔者に過ぎない。この場からすみやかに去ることを勧める。そうしなければ、私自身がそなたを排除することになるだろう。」女王は脅迫的な言葉を投げかけた。


「私の目的は、財宝や地位だけではない。私は、この世界を支配し、全てを自分の思い通りに動かすことだ。そして、そのためには、そなたの命も容易に捨てられる。」女王は自信満々に語りかけた。


「そなたが私に従うことができれば、この地での地位や名声を与えよう。だが、それを拒否するならば、私はそなたを抹殺する!」最後に女王は威圧的な言葉を残し、優雅に退場しようとした。


アヴリルは、魔女の言葉に苛立ちを感じながらも、女王を恐れずに、こう言い放った。


「私は、傲慢なあなたに何を言われても構わない。あなたの力を借りることもない。全力で戦い、そして勝つ。だから、あなたの言葉は私には意味がない。あなたの言葉が私に届くこともない。私は、あなたから距離を置くことが、最善の策だと思う。それでもあなたが私に干渉するつもりなら、私の方も手段を選ばない 」


魔女の女王は、アヴリルの言葉に若干の驚きを見せながらも、微笑みを浮かべた。


「そなたは、実に強い戦士なのですね。とっても、興味深い存在です」と、ゆっくり言った。


アヴリルは、女王の言葉に少し不安を感じながらも、


「私には、私の使命がある。それを果たすために、あなたの野望を打ち砕くことが、最善の策だと信じる」と言った。


女王は、アヴリルに向けて微笑みを浮かべたまま、


「そなたの言葉には、なかなか説得力がありますね。しかし私は、そなたに興味を持ってしまったようです。あなたがどのような使命を持っているのか、私に教えてくれませんか?」と、優しく問いかけた。


アヴリルは、少し考えた後、


「私は、この世界を守るために戦います。それが私の使命です」と答えた。


女王は、アヴリルの言葉に深く頷きながら、


「私も、この世界を守るために戦っています。私たちは同じ目的を持っているのですね。私たちが協力しあえば、この世でできない事は何もないでしょう。」と優しく言った。


しかし、アヴリルは女王の言葉を信用することができなかった。その懐柔策に気づかないほど、彼女は愚かではなかった。


魔法戦士アヴリルはそれについて一言も発することなく、剣をかざし、底しれぬ魔法の力を秘めた女王に立ち向かった。激しく交わる剣撃と魔法の炎が、広大な城を、熾烈な戦場に変えた。


瞬く間に、接近戦に移った二人。激しい攻防戦が続く中、アヴリルは女王がかつて自分が慕っていた人物であることに、ようやく気づいた。戦いの最中に垣間見える、魔法が解けた姿の女王は、なんと、遥か昔の友であり、誰よりも愛しい恋人でもあったのだ。


(今、目の前で躍動する魔女が、探し続けていたエレンディアだったとは!)


アヴリルはどんなに困難でも、女王に立ち向かうことで、二人の愛を取り戻すことを心に誓った。戦いは続いた。剣と魔法が交わり合い、静寂を破る炸裂音が繰り返された。


やがてエレンディアの力は尽き果てた。そしてついに彼女は、悪賢い魔女たちの魔法が解け、アヴリルの剣と魔法の力で、完全に元の人間の姿に戻ることができたのである。記憶を取り戻した可憐な恋人の目から溢れた涙は、真珠のように清らかだった。アヴリルの頬にも熱い涙が伝い、戦いの終わりを告げた。


アヴリルはエレンディアを抱きしめ、今までの全てを許した。二人は深い感動に包まれ、涙に暮れたまま抱き合った。言葉では表現しきれないほどの感情が、二人を目に見えない鎖でつなぐように、強く、固く結びつけていた。彼女らは時間を超え、現実を超越し、ただただ感動に身を委ねていた…

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魔法戦士アヴリルと魔女の女王 大久保伊織 @ohkubo_iori

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