第6話

「新郎新婦のご登場です!!」

私たちの夢であった結婚式。人はお互いの両親だけ。私が着たかったウエディングドレスも着させてくれて幸せだった。今日という日から

また私たちはスタートする。

「お手をどうぞ?」

朔夜くんはそう言う。昔からそういうクサイセリフをするのに毎回ニヤニヤするから私も調子にのる。

「どんなときも俺がみーちゃんを守る。」

「ううん!私も朔夜くんを守るから!」

「お互い守ってばかりだね?」

「そうだね」

「俺のみーちゃんは誰にも渡さないし、最後まで手を離さない。」

「最後まで握っててね?」

2人を引き裂く敵が現れてもきっと乗り越えられる。

「ねぇねぇ、なんで新郎は花嫁の右側にいると思う?」

「え?」

私はそんなことを考えたことがなかった。すると朔夜くんは笑って

「新郎が新婦の手を繋いで利き手の右手で戦うためなんだって」

私はそのとき胸がキュンと鳴いた。

人は少ないけれど生きている間でこんなに私たちの幸せをお祝いしてくれるのが嬉しかった。















「ごめんね。みーちゃん。結婚式翌日に会社のパーティーが入っちゃって。体調大丈夫?」

「うん。大丈夫よ」

翌日私たちの結婚をお祝いしてくれるパーティーがあり、私は車椅子で参加することに。

「段上がるよ。気をつけてね」

朔夜くんは車椅子を押しステージに一緒に上がる。私は紫音と綴をあやしながらステージにいる。

「この度は私たちの結婚をお祝いしてくださり、ありがとうございます。皆様も知っているかと思いますが、美椰はウェルナー症候群でこのような姿ですが、私はそんな美椰でも愛おしく、私の手で息子の綴、娘の紫音を幸せにしたいと思っています。」

これが最後に私が見た朔夜くんの社長らしき姿だった。

挨拶が終わり私は階段近くの入口側にいた。

「ふ、ふぇ〜!!」

「よしよし、ねむいよねぇ」

紫音が泣き出し綴は紫音の手を繋ぐ。私は2人をあやし、寝かせようとしていた。すると朔夜くんが走ってきた。

「みーちゃんごめん!2人を任せっきりで!」

「いいのいいの!ってか後ろから女の人たちいっぱいいるよ?」

「うわ逃げてきたのに……ってかうわ!みーちゃんまたあとでー!」

「うふふ、パパは本当にモテモテだね?」

私は2人をあやしていると朔夜くんを囲んでいた女の人と思いっきりぶつかり車椅子ごと階段から落ちた。私は2人を守るためにギュッと抱きしめた。ガッシャーン!!っと大きな音が鳴り、私は体中が痛く、血が出ていた。

「みーちゃん!!誰か救急車!!」

「「ふぇーん!!」」

「ぶ、ぶじで……よかった……」

ひまわりの花びらが全部落ち私は朔夜くんの涙を拭いそのまま力尽きた






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