第3話
「だいぶお腹が大きくなったわね」
「どちらの性別の子が産まれるかしらねぇ?」
私のお母さんと朔夜くんのお母さんが私の体調や身の回りのことでサポートしに家に来てくれた。幸いにも大学の授業はほとんどなく、オンデマンドのみなので外に出ることがほとんどない。朔夜くんの家族はとてもお金持ちだが、朔夜くんのお母さんはごく一般の家庭で生まれた人で、幸いにも私のお母さんと大学での友達らしく、婚約の挨拶のときにも受け入れてもらえて嬉しかった。それに私に勉強を教えてくれたのもお義母さんだった。私は元々頭は悪く、運動しか取り柄がなく、お義母さんは文武両道でなんでもできたそうだ。最初のときはお義母さんは私の母とそっくりすぎて腹を抱えるほどの大笑いをしていて、私はできなかったのが悔しいというかそれで緊張がほぐれてお義母さんのためにもできるようになりたいと思い時間の合間をぬってようやくできるようになった。
「だいぶつわりもなくなって、安定期に入ってよかった〜」
「もうクリスマスね」
「朔夜くんにプレゼントはわ・た・しって言えば?」
「ちょ、お母さん!」
「本当は言われたいんじゃない〜?」
そうこの2人は本当に恋バナが大好きだ。いつも旦那さんについて喋らせると1日中語れるほどだ。
「実は言わされました……」
「「え!?ほんとうに!?」」
2人は目を輝かせて私はソファでくつろぎながら2人と楽しい時間を過ごした。
「みーちゃん大丈夫?」
「うん!大丈夫!」
朔夜くんと過ごすクリスマス。私のお願いでイルミネーションを見に行きたいとのことで朔夜くんの家の力を借りてあるビルの最上階へ向かう。私は妊婦でさすがに冷えるのもダメだから朔夜くんが気を使ってくれて私服でも行けるような雰囲気や店員さんも私服にするなど色々と気を使ってくれた。
「さぁお姫様見て」
「す、すごい……!」
そこには飾り付けされた大きなツリーやライトアップされた綺麗な景色があった。
「さぁ俺のお姫様ここに座って」
朔夜くんに椅子を引かれ私はそこに座る。
「私……お姫様なんかじゃないよ?だってこんな格好だし、可愛いくないし」
「俺にとってみーちゃんは大事なお姫様だよ。それにみーちゃんは強さがあるからもっと輝いてる」
食事をしながら2人でそんな会話をする。朔夜くんは真剣な眼差しでこちらを見る。私は思わず笑い
「私にとって朔夜くんは王子様だよ。いつもみんなよために動いて、みんなを笑顔にさせてる。」
「俺たち……幸せだね?」
「うん!幸せ!」
外に写る雪が少し水気を含んでいて窓にこびりつく。
ひまわりの花びらがまた1つ落ちた
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