第2話
「やっぱり足を運んで正解だったね!」
「そうだね、みーちゃんも納得したことが嬉しいよ」
私たちが結婚式場に選んだのは海の近くにあるところだった。夕方の海は夕日の光によって照らされていてとっても綺麗だった。
「綺麗だね……」
「こういう何気ない日常でも幸せに感じることを俺はみーちゃんから教えてもらったんだよ」
隣にいる朔夜くんの言葉に私は思わず振り向く。すると朔夜くんは笑いながら
「俺のためにさ、マナーとか勉強もそうだけど、家のために頑張ってくれてさ、逃げ出さないか俺心配だったんだよ」
眉を下げてそう苦笑いをする。だけど
「私は朔夜くんがいてくれたから頑張れたんだよ?朔夜くんがいなかったらきっと逃げ出してたよ」
と私は笑いながら言って靴を脱いで海に足を入れた。
「朔夜くんには与えてもらってばかりだから、私ができることはそれしかないって思ったの」
波打ちのせいで白いワンピースのはしが濡れそうになり私はワンピースを掴み濡れないように走り回る。
「あ、待って!」
「私こう見えて足は速いんだよ?」
「俺よりは速くないだろうが!」
私たちは日が暮れるまで海で遊んでいた
幸せは永久に続くものではないと知らされたのはいつからだっけ
「ん〜?なんでだろ?こんなにご飯食べられなかったけ?」
最近ご飯が食べられなくて寝込む日々。朔夜くんに心配され、朔夜くんに家の事を全部任してしまう。それに食べてもすぐ吐く。
「まさか……」
私はトイレに行って検査薬を使う。
「うそ……!」
「ただいまー」
「おかえりなさい」
朔夜くんは急いで帰ってきたらしく少しネクタイがズレていた。しかしその反面私はニコニコしながら朔夜くんと向き合う。
「どうしたの?」
「実はね……今日病院に行ったら
赤ちゃんができたみたい」
「本当に!?俺、パパになるの!?」
「うん!!」
私が頷くと朔夜くんは顔をパーッと明るくさせ私を抱っこする。
「ありがとう。みーちゃん」
「お互い助け合っていこうね」
「うん!」
私たちはまだこのとき何も知らなかった
ひまわりの花がひとひら落ちていく
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