第1話

「おはよう!朔夜さくやくん!」

「おはよぉ、みーちゃーん」

私は朝ごはんの支度をしながら婚約者である九蘭 朔夜くらん さくやくんに後ろから抱きしめられる。

「みーちゃーん」

「なぁに?」

「みーちゃーん」

「もう、なぁに?」

「んふふ、大好き」

朝の朔夜くんはとっても甘々。私は華琳 美椰はなり みや。私は22歳の大学生で朔夜くんは若いながらも九蘭グループの会社を経営している社長で28歳。6歳差のカップルだ。私たちの出会いは朔夜くんの経営しているカフェで私がバイトをしていたとき。あのときはたしか……私が高校三年生のとき

「お客様。お待たせ致しました。アメリカンコーヒーとサービスのオレオチーズケーキでございます。」

「……」

「あ、あのお客様?どうか致しましたか?」

「いえ、いただきます。」

「うふふ、ごゆっくり」

あのとき朔夜くんはずっとパソコンと睨み合いをしていて私はそんな朔夜くんを遠目から応援したいと思い、注文していたアメリカンコーヒーに加えて私が作ったオレオチーズケーキを食べて少しの休憩になればなと思い作ってみた。だけどあのとき朔夜くんは実は営業が上手くいかず泣いていて私は案内するとき奥の席に座らせ、みんなの目につかないようにしていた。

そして朔夜くんが帰るときなぜか私は店長に呼ばれた。

「華琳さーん。おいでー」

と手招きされ行くとそこには朔夜くんがいた。

「あの……一目惚れした。俺と付き合って」

「はい!?」

これが私たちのきっかけとなった。最初こそは友達からだったが、だんだんと私は朔夜くんに惹かれ1週間も満たないうちに私は朔夜くんのことがすきになった。

「なにニコニコしてるの?」

「ふふふ、昔のこと思い出したの。朔夜くんと付き合ったときのこと。」

「昔の俺に嫉妬すんですけど……」

「はいはい、よしよし」

朔夜くんはとっても嫉妬しいので最初は大変だったが、今ではもう4年。扱いには慣れた。

「あのときのオレオチーズケーキもそうだけど、みーちゃんは料理が上手だね」

「そんなことないよ、朔夜くんだって上手だよ」

そう、朔夜くんはなんでもできてしまうのだ。しかし朝が弱いのでいつも私がやっている。

「今度結婚式あげる場所なんだけどさ、みーちゃんがここの3つ気に入ってたじゃん?今日またここ行ってみーちゃんが気に入ったところにしよう」

そう私と朔夜くんは婚約していて、私が大学卒業後に結婚しようとプロポーズしてくれて、もちろん私はOKをだした。

そして今回選んだ3つは九蘭グループの経営しているところで割引をしてくれることをメリットにその中でも気に入ったところをピックアップしている。

「朔夜くんもワガママ言ってね?」

朔夜くんは今までなんでも我慢してきてしまっているから最初のとき結婚式場はみーちゃんが選んだ場所がいいと言い、私は2人で挙げることができて、人生で唯一自分たちのために人が来てくれるからって説得したら翌日私が好きそうな場所を10個くらいピックアップしてくれて最初こそは選ぶのに難しかったけど、朔夜くんがフォローを入れてくれてなんとか3つまでに絞り込めた。

「みーちゃん」

「なぁに?」

「絶対みーちゃんの傍にいるからね」

「約束だよ?」

2人で指切りげんまんをした朝は幸せだった


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