Day22「賑やか」(小鳥遊言葉)

 この学校に居る人は、本当に皆元気だなぁ、なんて思う。


「あっ、会長!! おはようございます!!」

「おっはよ~、あ、髪切った? 似合ってるじゃん!!」

「会長、俺と一戦してください!!」

「あ、ごめんね? 今ちょっと忙しいから、また今度~」


 少し廊下を歩くだけで、様々な生徒に声を掛けられる。今日も僕は人気者だなぁ、なんて他人事のように思った。


 昨日のテレビが。この前受けた小テストが。異能力を練習していたら、怪我しちゃって。そんな話達が小耳に入る。


 今日も今日とて、何かが起きている。この学校は、毎日がお祭り騒ぎ。

 ま、皆が元気なのはいいことだ。


「言葉ちゃん」


 その中で1人だけ、僕を名前で呼ぶ子。


「ん、どうしたの? 灯子ちゃん」

「……あっちで、異能力で過度にやりまくってる生徒2人が」

「うえ、またかよ……ほんっと毎日毎日……てか、君も止められるでしょ」

「面倒なので。というか、貴方が止めた方が早いでしょう」

「まあそうかもだけどさぁ……」


 文句を言いつつ、僕は駆け出す。少し振り返ると、彼女は相変わらずの仏頂面で僕を見ていた。……この学校の雰囲気に反して、あの子って静かだよなぁ。

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