百人一首一番から二十番、本歌取り風

小椋夏己

百人一首一番から二十番、本歌取り風

 1.きたのと 彼氏かれしうその とがらみ がスマホ画面がめん 千々ちぢれつつ


 2.よるすぎて 朝来あさきにけらし しろたへの 夜明よあげてふ アラームのおと


 3.あしびきの 改札かいさつさきの 満員まんいんの 電車でんしゃ ひとりられむ


 4.スーパーのに カゴれば ふだの もの高値たかねに ぜにりつつ


 5.奥様おくさまに かぎをかけられ つまの こえときぞ いまは2すぎ


 6.かさかさの かわけるほほに えきの えるをれば 肌老はだふけにける


 7.あの野郎やろう かえれば 頭来あたまくる おっと写真しゃしんに きしひげシワ


 8.しは 綺羅きらりと しかとる そをつと ひとはいふなり


 9.ふくいろは うつりにけりな 洗濯せんたくに けて水振みずふる 後悔こうかいせぬまに


10.これはこれ きもきらいも わかれても るもらぬも ブランドバッグ


11.わしのはら 八十糎やそせんちあれど らぬと ひとにはげぬ メタボぎりぎり


12.あまつさえ 義理ぎり関係かんけい きさらし おとめ言葉ことば 永久とわにとどめむ


13.次々つぎつぎと あらたにづる 新商品しんしょうひん 機能勝きのうまさりて いとなりぬる


14.しゃぶしゃぶの 種類並しゅるいならびし タレゆえに こまえらびし われごまだれに


15.めしがため めぐりて ぶたう そにころもつけ カツはげつつ


16.がれ 優先席ゆうせんせきの せきうる かたえれば いざゆずりなむ


17.彼氏振かれしふる 理由りゆうかず 豆鉄砲まめでっぽう かさなりに 淵溢ふちあふるとは


18.かすみの としによるなみ こしさへや 同窓会どうそうかいにて 人目ひとめよくらむ


19.なによこれ みじかあしの たけも わでデニムを 裾上すそあげしてよ


20.わさびれど おなじ なにがある たこきしてぞ あそぶとぞおも


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百人一首一番から二十番、本歌取り風 小椋夏己 @oguranatuki

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