とても悲しい兄弟の絆。
憧れの兄を見つめ、追っていた弟。
兄はそんな弟の視線を
感じていたのだろうと思います。
自分は転落するしかないけれど、
弟は陽のあたる場所で輝いていて欲しい。
兄もまた、弟を大事に思っていた。
放っておけない。救いたい。何をしても。
シード暗号が示す兄の真意。
何となくそうではないかと感じていました。
優しいのか弱いのか。
親の期待を背負い流され、
自分の人生を歩めなかった二人。
後ろ暗さを抱えた二人。
弟は永遠に兄の影を追い続ける。
美しいけれど、どこか歪んだ寂しいお話。
でも、なぜか腑に落ちる気がします。
ハッピーでないところが、心に残る。
良いものを読ませていただきました。
作者からの返信
三寿木さん
兄の真意を感じ取ってくださって、嬉しいです!
あまりに近すぎる場所にいると、時に、相手の顔がぼやけるのかもしれません。
弟は「兄の言う通りにしてきた。これでいい」という妄信的な部分と、そこまで子供になり切れない罪悪感を持ち合わせていたように思います。
兄が自分を恨んでいる可能性を、万に一つでも感じてしまった。
それは彼自身、自分の人生を歩めずにいることに、苦しさを覚えていたからかもしれません。
一見、弟はずるい人です。
でも兄と共に、自分の人生を歩めない苦しさと、後ろ暗さを抱えている。
そこをしっかり読み取ってくださって、作者冥利に尽きます!
こちらこそ、素敵な感想を寄せていただき、ありがとうございました^^
読後直後はお兄さんに罪をなすりつけてのうのうと生きてきたのかっ💢と弟さんに怒りを覚えたのですが、もし自分が選ぶならどちらの立場が楽だろう……と思うと、圧倒的にお兄さんの立場の方が、精神的に楽そうだ……と感じました。
しかもお兄さんが出所する前に亡くなって、挙げ句に「お前が恋しい」
コレは辛すぎる(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
これまでも、これからの人生も、ずっと重たいものを背負って生き続けないといけない弟さんに涙しました。想い合う気持ちが深いと、愛も苦しみもより深くなるのかなぁと考えてしまいました。
感慨深いお話、ありがとうございます。
作者からの返信
成生さん
読後の怒りだけでは終わらせず、二人の立場を我が身に置き換えて考えてくださったなんて、どう感謝したら良いものか( ;∀;)
もちろん、怒りを抱いてくださっただけでも、十分ありがたいんですよ。この弟はちょっと兄を盲目的に頼り過ぎだったと私も思います。
仰る通り、想い合う気持ちが深すぎるというのも、苦しみの一因になりうる気がします。自分ではなく相手本位になってしまうからかなあ。それとも、そこまで深い愛情というのは、結局エゴなのか。
自分は読後にいろいろ考えてしまう読書体験が好きなので、成生さんがいろいろ考えてくださったことは、とても嬉しく感じます。
いつもながら丁寧にお読みいただき、ありがとうございました!
六つものお題を使ってここまでの話が書けるのは驚嘆です。
幸福と不幸、隔意と絆、そんなものが一家の人生のパーツとして感じられる作品でした。
作者からの返信
武江さん
六つのお題、幸運にも相性良く組み合わさってくれました!
外から見ただけではわからない或る家族の肖像の欠片を、丹念に拾って再構成していただけたのだなあと感じる嬉しいコメント、そしてレビューを、ありがとうございます!^^
暗号がでてきたところで、これはじっくり読ませていただこうと、時間ができるまで大切にとっておきました。
これは、心に沁みますね……。急いで読まずにおいて大正解でした。
6つのお題が絡み合って、もつれた人間関係と、最初に提示されて最後までキープされた暗号のナゾが読み手のココロをグイグイと引っ張ること引っ張ること(^_^)
お兄さんの想いが温かいです。じんわりと沁みます。
この作品、よろしければリスト(それぞれ2回分)に加えさせていただけませんか? お願いします。
作者からの返信
柴田さん
丁寧にお読みくださって、ありがとうございます!
急がず大切にとっておいてくださったなんて、本当に嬉しいです。
謎で最後まで引っ張ることができていたなら、今回の構成は合格だったかなと思えます。また、兄の想いもしっかり受け取っていただけて(/_;)
もはや締め切りに間に合わない方が多くって、勝手に6題にしたりと好き勝手で、誠に申し訳ありません💦
今週のもさっきまで頑張っていたんですが、結局間に合わずーっ(>_<)
もっと早くアイデア出しができるようになったらいいのかなあと思います。精進します!
こんな遅刻常習犯なのに、リスト2回分に加えていただけると、なんと優しいお言葉……!天使でしょうか。
お手数おかけしてしまい恐縮ですが、ぜひともよろしくお願いいたします<(_ _)>
いつもありがとうございます!
編集済
兄弟間の憧憬や優しさが幼い頃のままに兄弟の健全とは言い難い関係性の内に閉じ込められて、でも歪な関係性を通してみるからこそより輝いて見えるような、切なくも美しさを感じさせる読後感でした。
映像作品を見ているような描写力に感服しました。
作者からの返信
栄さん
お忙しい中、読んでくださってありがとうございます!
>歪な関係性を通してみるからこそより輝いて見える
ああーなるほど!と、思わず作者も膝を打ってしまうコメントです。美しい方向に受け取ってくださって、とても嬉しいです……!
頭の中では短編ドラマのような映像が流れていたので、映像作品のようと言っていただけたのは、文章化がうまくいったということかなと、励みになりました(*´ω`)
いや、もう、凄すぎて、言葉が出ません。
しかも三題、いや六題という縛りから、これほどの物語を完成されるとは。
最後の三文字で、心を揺さぶられ、くり返し語られたイメージと線香の煙で、映像を見せてくる。
凄すぎます。
素晴らしい物語をありがとうございました。
作者からの返信
イルカさん
わあ、読み手のイメージを自在に操るイルカさんに、映像的な面を褒めていただけるなんて、すごーく嬉しいです!
御作『町の地図には、恐怖がいっぱい』の後記を拝読して、ご自身の文章の隅々まで神経を行き渡らせて、書き終えた後も検討し続ける真摯な作家さんなんだなと改めて感じたところでしたので、そうした細やかな眼差しで拙作も読んでいただけていると思うと、本当にありがたいです<(_ _)>
こちらこそお読みいただき、評価してくださって、ありがとうございます!
とても励みになります^^
ぼろぼろ泣きました。すごく良かったです。
作者からの返信
柊さん
お読みいただき、ありがとうございます!
明るいテイストの作品を書くことが多いので、こういうのはどうだろうと心配な面があったのですが、泣いていただけたなんて……!
本当に嬉しいです。書いて良かったです!
お見事! お題から作られたお話ですよね。ドラマを見ているように情景が活き活きと浮かんできました。
旗手である兄を事件の証言を従ったことや最後のお線香の煙まで貫いて書かれたところなんて惚れちゃいます。面白かったです。ありがとうございます。
作者からの返信
楠瀬スミレさん
お読みいただき、ありがとうございます!
三題噺が好きで、毎週参加を目指しているのです。でも締め切りに間に合わないことが多くって、書いていないお題が積み上がってしまったので、今回独自に六題噺にしてみたというわけです(´∀`*)ウフフ
情景を思い浮かべて読んでいただけた上に、惚れちゃうなんて!
とっても嬉しいです♪
こちらこそ、コメントと評価までありがとうございました^^
とても切ないお話でした。
兄の献身を受け入れ続けた主人公の人格がどうしても冷たく感じてられてしまいます。
旗手というのは先頭を歩く者。
弟は陽へ。
兄は陰へ。
それぞれのベクトルに向かう旗手としての役割を全うしたのかもしれません。
シード暗号はその二人の中心点。
ゼロの位置で情報を交換するための暗号のように思えました。
「容疑者Xの献身」ではガリレオによりアリバイが崩されましたが、この場合はこれで良かったのかどうか。
そう考えるとやはり後味が悪いとなってしまうのかもしれません。
けれどそう考えさせてもらえるこの作品が秀逸であることに間違いはありません。
今回もサイコーでした!
作者からの返信
那智さん
お読みいただき、ありがとうございます!
弟は兄を崇拝するあまり、その示すところへ無批判に進み続けた……というイメージなのですが、度が過ぎているので、確かに人間味が感じられないところがあると思います。
旗手と暗号の役割を考察していただけて、嬉しいです♪
「容疑者Xの献身」は映画版を見ましたが、どうかこのままで、と、つい祈ってしまうお話でした。東野先生の作品を引き合いに出していただけるとは、恐縮です!
サイコ―頂きましたヾ(≧▽≦)ノ
いつも励みになるコメントを、ありがとうございます!
近況ノートで後味がよくないと書かれてましたが、そんな感じはしませんでした。むしろ私好みのお話です♪
「おまえが」って言われたら身に覚えがなくてもドキッとしそうですよねw「こ」で、殺したのかっ……! と。そこから夢中で読んで、あっというまの楽しい時間でした。お兄さん…(´;ω;`)
作者からの返信
圭以さん
わあ、好みと言っていただけるなんて!!
後味悪くなかったと言ってくださる方も意外と多くて、嬉しい誤算です(/_;)
もしジャンニ親方の世界だったら……と考えてみました。この程度の事件では恐らく立件すらされないですねw
>身に覚えがなくてもドキッと
確かに。何もなくてもソワソワしちゃいそうです( *´艸`)
夢中になって読んでくださって、兄に涙まで……ありがとうございました!
拝読させていただきました。
素晴らしい内容に感服です。
扱うテーマや内容的に、少し陰がある部分もありますが物語の内容として違和感なくすっと入ってきましたので、不快感はなかったです。
むしろ、なるほどこういう想いなのかと。
明確には書かれていませんが、兄弟は服役して以降は会話がなかったのだろうと思いました。
そして遺品の投函されなかった手紙。
手紙のメッセージの残り3文字は、最後にはプラスに転じるものだと思っていたのですが、このメッセージはいつ書かれたのだろうと思いを馳せました。
端が黄ばんでいるということで最近のものではない。
この「おまえがこいしい」という想いは、おそらく服役当初から持ち続けた気持ちでしょうが、投函しなかったにしても言葉にしたお兄さんの気持ちが(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
死因は突然死のようでしたので、あと半年。
この兄弟は再開させてあげたかったなあと、とても切なくなりました。
とても感動しました。
作者からの返信
葉さん
お読みいただき、ありがとうございます!
犯罪を扱った作品ながら、こんな風に感動を伝えていただけて、本当に嬉しいです。私こそ滂沱の涙です( ;∀;)
丁寧に読み取ってくださった通り、手紙は数年前に書いたものの、弟の生活を考えると出すに出せない。自分のことを気にさせてはいけない……という想いから、しまい込まれていたというイメージで書きました。
兄弟の別離を惜しんでくださって、なんだか親の立場で感謝を伝えたい気持ちになります。
二人に寄り添って読んでくださって、ありがとうございました(*^^*)
毎回話の展開とその発想力に脱帽します。
今回も素敵なお話でした。
作者からの返信
朝パンさん
お読みいただき、ありがとうございます!
いつもとテイストが違うので心配しながら公開しましたが、素敵と言っていただけて良かったです(^o^)
鐘古こよみ様
うわぁ……であります。
いろいろな意味でほんと後味が悪いお話でした。(;´∀`)
こよみ様、う~ん、やっぱりすごい書き手だと唸ってしまいました。
文章、語彙、描写、表現、ストーリー展開の巧みさは言うに及ばず、「結局、その後に続く言葉は!?」と最後の最後まで読者を惹きつけて離さない演出、構成。そして、泣かす。朝から泣いてまうやろ! 兄ちゃん、あんたって人は……!
女がらみで、女ごときで、悉く人生を狂わせてしまった兄弟だけど、兄の方はあまりにも救われない……。弟は兄に救われたけど。
スイカのシード暗号はこよみ様が発明されたのでしょうか。初めて知りました。こういうことは地頭が良くないと到底考えつきません。
つくづく凄い御方です、こよみ様。
「お・ま・え・が・こ」で、兄は弟が犯した殺人の罪を被って服役していたのだろうと想像しました。そして、これはきっと恨みの言葉なのだろう、と。
でも、最後にどんでん返されました。
素晴らしい! 有意義な読書となりました。☆三つでは足りません。
読ませていただき、ありがとうございました\(^o^)/
作者からの返信
ブロ子さん
後味悪い頂きました! やはり!
予防線張っておいて良かった(笑)
女で人生狂っちゃう兄弟のお話ですが、筋を素直にそのまま書くと、ごくありきたりのフツーの展開になってしまうので、今回は構成力でどこまで引っ張れるか!?を裏テーマに設定しました。なので唸って頂けたら大成功。とっても嬉しいです(∩´∀`)∩♪
シード暗号は私が考えました☆ 日中、家事しながらこういうことばっかり考えてるヘンタイなのですよ……(ΦωΦ)ウフフ
しっかり読み込みんでくださり、最後にはちゃんとどんでん返されて頂いて、ブロ子さんという素晴らしい読者様に恵まれて、私こそ幸せです!
こちらこそ、いつもありがとうございます\(^o^)/
編集済
兄ちゃん、人間できすぎやろ……。。゚(゚´Д`゚)゚。
ノートのほうに書かれていた「公序良俗な意味での後味が良くない話」、なるほどーこういうことでしたか。確かに過失致死(傷害致死かな?)とはいえ、人を殺してしまった弟は兄のお陰で罪から逃げ遂せ、そして兄はそれに甘んじている弟を最後まで責めることなく、剰え「こいしい」と……。存在をタブーとされるような仕打ちまでされても親を案じるとか……菩薩か!?
この弟が、兄を本心から慕っているとうのは事実なのだろうな、と思います。逆に云うと、兄に憧れ、慕い、背中を追いかけるばかりで、自分というものはあまり持っていなかったのかも。だから、兄が指してくれた道にしか進めなかった……みたいな。
もしも「おまえがころした」だったら、どうしていたのかなと考えてしまいますね。
三題噺×2に引っ掛けるという力技とはとても思えない、読み応えのあるお話でした。ブラボー!
作者からの返信
千弦さん
菩薩な兄、まさしくその通りで(>_<)
ものすごく優秀で人間も素晴らしいのにどうしてそんな不運、不遇なの……という人、現実にもちらほらいる気がします。自分より人にいろいろ譲ってしまうんだろうなあ。慕われるけど、本人はいつも他人のことで苦労していて。
で、仰る通り、この弟はそんな兄を本気で慕っていました。兄の背中を追って、示してくれた道にしか進めなかった……そこをわかって頂けて、とっても嬉しいです!
もし「おまえがころした」だったら……たぶん弟、自首してたかなあ。ひょっとしたら兄の本心に衝撃を受けて、自殺までいっちゃうかも(-_-;)
でも、今回の場合も、線香の煙に白い旗を見出した弟は、危うい境地に至っちゃうんじゃないかという気がします。
六題噺の力技w をお読みいただき、ブラボーまで、ありがとうございます!!
【三題噺 #21】「記憶」「スイカ」「旗」&【三題噺 #19】「兄弟」「金」「タブー」への応援コメント
わー!素晴らしい!素晴らしい物語!素晴らしい味わいと余韻!感服いたしました!
主人公はこれからも自らが背負っている業と共に生きていかなければならないのでしょう。でも、尊敬して止まないお兄さんの自己犠牲と愛が彼を少し前向きに生かしてくれるのでしょう。そんな余韻を感じさせてくれる結末でした。
また、ころした、と、こいしい、の、ろ、と、い。簡単な暗号なら、こ、の次の五十音が一目で判断出来るものなのでしょう。でも、解読表が必要なややこしさが適切なギミックとして活きている! そして、暗号の説明が過不足ない!パーフェクト!
読ませる文才に嫉妬を禁じ得ませんが、眼福でした。ありがとうございました!
作者からの返信
ハヤシダさん
自主企画に参加させていただき、ありがとうございました!
いつも独特の視点の企画を立てていらっしゃるので、ついつい「うちにもいいのないかな?」と探してしまいます。
捻じれてしまった兄弟愛の行きついた先を、少し前向きな結末として余韻を持って捉えてくださったこと、そういう受け方をしてもいいんだと、作者ながらホッとしました。この作品は読む方によって感想が全然違う話で、弟に厳しい眼差しを持つ方もいらっしゃり、どれが正解ということもないのですが、いろんな見方を教えていただけるのは、とても嬉しいです。
暗号のギミックにもしっかり注目してくださり、細かい工夫点にまで気付いていただけたのも、感激です!
読ませる文才と仰っていただきましたが、ハヤシダさんのように文章を深く読み込む力のある文芸エキスパート達がカクヨムにはたくさんいて、そうした方たちのお陰で作品が洗練されていく部分も大いにあるなあ……と、いつも感じます。
参加数多数の中、早々に読んでいただき、嬉しいコメントまでありがとうございました!